4年目の官製春闘 賃上げめぐり早くも「火花」?

連合、「ベア2%」要求へ 「ちょっと高い」―経営側は牽制

17年春闘の基本構想を説明する連合の神津会長(左)

 連合は20日、中央執行委員会を開き、ベースアップ(ベア)など賃上げ要求水準について「2%程度」を基準とする2017年春闘基本構想案を示した。ベア要求は4年連続で定期昇給(定昇)相当分を含め4%水準。今年に続き中小企業労働者や非正規労働者の底上げ、大手追従・準拠からの脱却を目指す。  同日会見した神津里季生会長は「かつての物価上昇を追う春闘とは大きく違う」とし、デフレ脱却には賃上げの流れを維持しつつ、中小や非正規の月例賃金・時給引き上げが不可欠と強調した。  「底上げ・底支え」「格差是正」に向け、中小共闘の賃上げ要求は定昇に当たる賃金カーブ維持相当分4500円を含め1万500円。非正規共闘では「だれでも時給1000円」の実現を進めつつ、時給引き上げ目安を37円に設定した。来月下旬にも機関決定する。  また中小企業の賃上げ原資確保のため、来春闘でも大手と中小との「公正取引の推進」を掲げる。連合は「サプライチェーン全体での付加価値の適正配分が必要」とし、春闘交渉のほか「働き方改革実現会議」や厚生労働省検討会などの場で政府に働きかける。  16年春闘では大企業が集まる経団連集計では定昇とベア合わせた妥結額は7497円(賃上げ率2・27%)。中堅・中小労組を含む連合集計での賃上げ額は平均5779円(同2・00%)だった。  労使双方集計とも3年連続で2%台確保だが、円高や世界経済の不透明感、日銀のマイナス金利の影響もあり前年実績を下回った。  日本商工会議所の三村明夫会頭は20日の会見で、2017年の春季労使交渉に向け連合が同日決定したベースアップ(ベア)「2%程度」を基準とする基本方針について、目下の経済情勢や(賃上げ率全体のうちベア部分が0・4%程度だった)16年実績を勘案すると「率直に言ってちょっと高い」との見解を示した。家計が潤っていない現状などを踏まえれば「賃金の上昇は必要」との認識を示した上で、生産性向上が必要な点も指摘。「とりわけ中小企業についてはそのための条件を整えるべきだ」と従来の姿勢を強調した。  経済財政諮問会議などの場で政府が経済界に積極的賃上げを求め続けていることについて、「政府が期待を表明することは差し支えない」と一定の理解を示しながら、賃金は労使交渉がベースであり「いつまでも政府主導の賃金決定方式はないだろう」とも述べた。

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