“太陽光バブル”が終息、法改正を前向きに捉える企業が勝ち残る

ソーラーフロンティア社長に聞く。「手間がかかってこそ分散電源」

ソーラーフロンティアのCIS系太陽電池

 再生可能エネルギーで作った電力の固定価格買い取り制度(FIT)が改正され、発電事業者は政府に申請した太陽電池パネルを変更できるようになった。また、政府から認定を受けながら未稼働の太陽光発電所は、認定が取り消される見直しもあった。太陽電池専業メーカーであるソーラーフロンティア(東京都港区)の平野敦彦社長は、「改正を支持する」と前向きに評価している。平野社長にFIT改正の影響、市場動向などを聞いた。  ―太陽光発電協会によると、4―6月の太陽電池国内出荷量は住宅用が35%減となりました。  「住宅用がここまで落ち込むとは思ってもいなかった。ブームに乗って太陽光発電システムの販売を始めた代理店が、他の商売に移っている。逆に意欲的な代理店は確実に販売を伸ばしていることを考えると、ニーズはなくなっていない」  ―今後の見通しは。  「住宅用はゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の標準化が控えており、今が底だろう。2018、19年は全体の年間需要が400万キロワットになると読んでいる。日本に適した分散電源は太陽光だ。FITの改正で、(制度の)短所を克服できる」  ―パネル変更が可能となり、他社製に決まっていた発電所にも、自社製を売り込めるようになりました。  「パネルに不安があって、着工しないままの発電所がある。当社のパネルに切り替え、計画を進めてほしい。一方で、切り替えてもらうために価格勝負にもなっている」  ―認定取り消しの影響は。  「5000万キロワットある未稼働案件のうち、半分が取り消しになると見込む。稼働するであろう2500万キロワットは大きな市場だ。パネルの問題以外にも、資金や技術面で停滞していた計画もあり、我々の手で成就させたい」  ―ソーラーフロンティアの銅・インジウム・セレン(CIS)系薄膜太陽電池の性能が上がっています。  「CISは低コストで品質が高く、性能も伸びしろがある。20年には小型セルベースの変換効率で、25%を超えようと思っている。その時点で単結晶シリコン製と効率で差があっても、製造コストが安い。当社は機器の販売会社と思っていない。エネルギーに貢献する会社であり、太陽光のコストを引き下げていく」 【記者の目・“バブル”終息で試される実力】  長期に安定し、国民負担が少ないことが太陽光発電に求められている。そのためのFIT改正というのが、平野社長の見方だ。また「手間がかかってこそ、分散電源」と言い切る。パネルがあれば売れる時代は終わり、「ニーズを掘り起こす役割がメーカーにある」という。“太陽電池バブル”が終息し、提案力も含めたメーカーの実力が試される。 (聞き手=松木喬)

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