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復元した戦闘機「飛燕」が見られる!川重が来月に創立120周年記念展

再び純国産戦闘機は飛び立つか
復元した戦闘機「飛燕」が見られる!川重が来月に創立120周年記念展

「飛燕」(川崎重工提供)

 川崎重工業は10月15日から11月3日まで、神戸ポートターミナル(神戸市中央区)で「川崎重工創立120周年記念展―世界最速にかけた誇り高き情熱―」を開く。同社が第2次世界大戦中に開発・製造し、このほど復元した戦闘機「飛燕(ひえん)」などを展示する。入場無料。

日刊工業新聞2016年9月29日



ステルス実証機「X―2」の初飛行に成功


 戦前の日本は航空機大国の名をほしいままにしていた。零戦、二式大艇、紫電改、九七戦、九六艦戦、隼(はやぶさ)、飛燕、疾風(はやて)など多くの航空機をつくりあげた。1944年には2万9000機も生産し、100万人を超える従事者を数えた。それが敗戦で産業が解体された。

 それから約70年。今年、防衛省は相手のレーダーに捕捉されにくいステルス戦闘機開発のための先進技術実証機「X―2」の初飛行に成功した。
 
 X―2は機体だけでなくエンジンも国産化した初のステルス機で、今後岐阜県内で飛行試験を実施し、ステルス能力や機動性を検証。2018年度までに航空自衛隊のF2戦闘機の後継機を、戦後初の純国産化するかどうかを決める予定。純国産機の生産が決まれば、国内航空機産業への波及効果が見込める。初飛行がその第一歩になると期待される。

 X―2は愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)から航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)までを4月22日に飛行した。開発費は約394億円で、機体の形状や電波を吸収する素材の採用により、ステルス性を得るほか、高い運動性を有する。三菱重工業が機体製造を取りまとめ、IHIがエンジンを供給。富士重工業、川崎重工業など約220社が参画した。

 F2戦闘機は30年代に退役すると見込まれる。防衛省は後継機を18年度までに純国産化するか、国際共同開発するかを判断する。F2戦闘機が米国との共同開発だったように、これまで日本単独で戦闘機を開発できていない。実現すれば、国内航空機産業の発展に大きな意味を持つ。

 航空機産業は民間向けと防衛向けが技術、生産両面で深く結びつく。戦闘機開発で技術力を培い、旅客機開発に生かせる。純国産戦闘機の生産は、航空機産業の底上げにつながる。

日刊工業新聞2016年4月25日の記事に加筆・修正


明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
今、この時期に戦前の戦闘機を見ることはいろいろな視点からとても大切なこと。

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