地価が上昇に転じて、大都市の工場集積地はどうなる?

町工場のメッカ、東大阪市で住工共生に向けた一歩

東大阪市内

 大阪府東大阪市は市内の工業地域「水走地区」の23万平方メートルで検討中の「特別用途地区」のたたき台となる案をまとめた。住宅と老人ホームの建設を規制し、工場用の売却・立地に対して都市計画法の「工業地域」「工業専用地域」と比べ、地権者と立地企業に、補助金支給を手厚くするのが柱。また空き用地の情報は市がホームページなどを通じて発信し、工場集積を維持・拡大する。  特別用途地区の導入準備のため東大阪市は水走の地権者らに2015年秋から説明会を3度開き、周知・理解作業を進めた。今後は都市計画法に基づく手続きに着手し、大阪府などと協議して特別用途地区の正式案を作成。16年夏に同法に基づく住民説明会、案の縦覧を経て、同11月の東大阪市都市計画審議会に付議する。17年度からの施行を目指す。  既存の補助金メニューのうち地権者に支給する「事業用地継承支援対策補助金」は、工場用に土地を売却するならば、敷地面積、既存用途の条件は問わない方針だ。現行は敷地面積250平方メートル以上・既存の製造業事業用地という条件がある。土地・建物を貸す際の「モノづくり立地促進補助金」でも延べ床面積の規模を問わずに支給する。また、市内住居系地域から工業系地域へ、モノづくり企業が移る際の「工場移転支援補助金」は事務所移転費も対象にする。  現在の水走地区23万平方メートルは工場集積が維持されている半面、面積の約1割が未利用地。「工場利用に対するプレミア支援策で、大阪府を代表する工業集積地を目指す」(市モノづくり支援室)という。  特別用途地区とした後も地価を分析し、5年程度で定期的に見直すことを条文に盛り込む考え。 (文=東大阪支局長・佐々木信雄)

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