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デジカメで本格的な“自撮り”を!メーカー各社の戦略

**富士フイルム、“自撮り”に適したミラーレスカメラ

日刊工業新聞2016年9月23日


 富士フイルムは、撮影者が自分を撮影する時の操作性を高めたミラーレスデジタルカメラ「X―A3」を10月6日に発売する。いわゆる“自撮り”に最適な製品。想定価格は、レンズと組み合わせたキットで8万円前後(消費税抜き)。

 背面液晶モニターを180度回転させ、自分を撮影しながらモニターで確認できるようにした。背面の右上にシャッターボタン機能を持たせた垂直コマンドダイヤルを配置し、自分を撮影する時も手ぶれを抑えられる。

 新開発の2420万画素のセンサーを搭載。これまで培った肌色再現技術を採用した。連続撮影枚数は約410枚。キットにしたレンズを装着すると、レンズ先端から約7センチメートルの範囲までのマクロ撮影ができる。若い女性を中心に販売拡大を目指す。


カシオ、カメラとコントローラーを切り離せる「FR」シリーズ


日刊工業新聞2016年6月29日


 カシオ計算機は欧州でデジタルカメラの販売を再開する。これまで欧米販売を大幅に縮小してきたが、カメラとコントローラーを切り離せる「FR」シリーズの投入で独自市場を築けると判断した。アウトドアなどでの利用を見込む。ドイツを皮切りに販売地域を広げ、ウェブを中心に宣伝活動を展開する。デジカメ市場が縮小する中、スマートフォンにない価値の訴求を急ぐ。

 まずドイツで、FRシリーズのインターネット販売を始めた。今後、欧州内で販売地域を拡大する。FRはカメラを分離して、身体や自転車、釣りざおなどに装着し、手で持つカメラにできない構図で撮影できる。欧州はアウトドアレジャーの人気が高いため、FRに商機があるとみる。ウェブを中心に、レジャー体験者や著名人が撮影したFRならではの写真を公開し、知名度を高める。欧州での販売目標は非公表。

 カシオのカメラ事業は、撮影者が自分を撮影する“自撮り”に特化した「TR」シリーズの中国販売が支えており、これに次ぐ商品としてFRの育成を急ぐ。FRはTRより広角で撮影ができ、防水や防汚、耐衝撃性を持つ。一定間隔での自動撮影やスロー映像撮影、撮りためた静止画を使った短いムービー自動作成などスポーツで使える機能をそろえた。現在、日本やアジアで販売している。

 「『撮影自体より写真をどう楽しむか』を重視する人が増えている」(中山仁執行役員)とカシオではデジカメへのニーズが変化していると分析。FRを活用し、究極のハンズフリーを目指した開発を加速する。

 カシオの2015年度のデジカメ出荷台数は98万台(前期比30%減)で、16年度は95万台を計画する。
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
自撮りはアプリで加工していい感じにする人が圧倒的に多いような気がするので、高解像度はそこまで求められていないような気がしていました。しかし風景も一緒に映し込みたい、とった場合はデジカメが有利ですね。また最近ではアイドルの自撮りはもはや活動していく上では必須になってきたので、そういったプロ層からのニーズもありそうです。

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