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IBMと三菱東京UFJ銀のブロックチェーン活用はブラックジョーク?

行内部署間の合意確認などで2017年度からの利用を計画
 米IBMは、三菱東京UFJ銀行とブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した電子契約書の実用化に向けて検討を行うことで合意した。実際の契約管理のためにブロックチェーンを利用する、最初のプロジェクトとなる。ブロックチェーンを通じて、外部委託業者など業務パートナー間の契約の管理・履行方法を設計し、試験運用を始める。

 ブロックチェーンは取引記録や資産登録簿などのデータを、分散型ネットワーク上の参加者が共有・管理する技術。低コストで構築運用できる。今回のシステムは、仕様を公開しているオープンソースのブロックチェーン「ハイパーレジャー・ファブリック」上に構築する。IBMのクラウド上で稼働する。

 三菱東京UFJ銀行は行内部署間の合意確認などで2017年度からの利用を計画している。加えてIBMと三菱東京UFJ銀行との間での契約書も、17年度中に本システム上で管理する。業務の効率化を高めるため機器の納入や利用状況をセンサーで監視。センサーからの情報を基に請求書の発行や支払いの自動化にも取り組む。
日刊工業新聞2016年9月20日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
「行内部署間の合意確認などで2017年度からの利用を計画している」が笑えるポイント。銀行は、何か決める時に関係各部、関係役員全てから印鑑を貰う非効率な職場。安全なブロックチェーン技術で行内の合意を大切に守るというのはブラックジョークにも聞こえるが、実証実験の題材としては良いかもしれない。

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