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アレルギーの心配ない手術用手袋 ゴムのように伸びる秘密は素材にあった

三興化学が熱可塑性エラストマーを使用して開発
アレルギーの心配ない手術用手袋 ゴムのように伸びる秘密は素材にあった

パウダーも使用しない

 三興化学工業(広島県大竹市、望戸清彦社長)は、患者や医師にアレルギー発症の心配のない手術用手袋「シルキーフィット・ゼロ=写真」を発売した。主材料は熱可塑性エラストマー。サイズは5・5―8・5インチまでの7サイズで全国の代理店を通じて病院に売り込む。消費税抜きの価格は1双480円、1セット50双から販売する。初年度売り上げ目標は100万双。

 通常の手術用手袋は天然ゴムや合成ゴムを使用しており、これに含まれるたんぱく質などがアレルギー発症の原因となり患者や医師に悪影響を及ぼしているという。今回採用した熱可塑性エラストマーは、ゴムの弾力を持つ高分子物質。アレルギー発症の要因物質を含まない。

 天然ゴムなどに比べ、水を吸収しにくく柔らかくなりにくいので手術中にキズもつきにくい。また、刺激性接触性皮膚炎の原因となるパウダーも使用していない。
日刊工業新聞2016年9月13日 ヘルスケア面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ゴム製の手袋にアレルギー物質が含まれており、手袋に付いているパウダーが皮膚炎の原因となるとは知りませんでした。医療従事者にとっては一定の需要があると思われます。

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