自民党のIT戦略担当「『やってから謝った方がいい』という米国と日本は違う」

平井議員に聞くビッグデータ活用「国が協調領域を整える必要がある」

平井議員

 日本版第4次産業革命である「ソサエティー5・0」のカギを握るビッグデータ(大量データ)。その利活用に関する新たなルールづくりが進む。今秋の臨時国会に議員立法として「官民データ活用推進基本法案」の提出を目指す自民党の平井卓也衆議院議員(自民党IT戦略特命委員長)に狙いを聞いた。  ―データ利活用に関する基本法がなぜ必要なのですか。  「すべての産業がインターネットでつながることを前提とする社会では、利活用するデータの質や量が事業や戦略の巧拙を左右する。ところが、現在の法律はデータの利活用を積極的に促す枠組みになっていない。利活用の促進を明確に打ち出す法律が必要だ」  ―個人情報保護法が改正され、匿名加工情報を利用できるようになったのでは。  「改正個人情報保護法の目的はあくまで個人情報の保護。自治体の数だけ個人情報保護条例があることも、企業には、データを活用したビジネスに二の足を踏ませる一因だ」  ―「基本法」の制定によって企業はどんな利点がありますか。  「データフォーマットの標準化や官民連携のサービスプラットフォームの整備が進むことは一例だ。基本的な施策として『パーソナルデータストア』のように、個人情報や購買履歴などを事業者側だけでなく、利用者側も管理する新たな概念も盛り込んだ」  「IoT(モノのインターネット)もAI(人工知能)も、社会で広くデータを融通できない限り、技術革新の恩恵を受けられない。データを使って暮らしの質を向上させ、経済成長につなげるといった方向性を国が明確に示せば、データ利活用をめぐる企業姿勢は大きく変わると思う」  ―国はどこまで関与するべきでしょうか。  「グーグルX(米グーグルの研究部門)の統括者、アストロ・テラー氏は『許可を求めて行うより、やって謝った方がいい。そうしないとイノベーションは起きない』と言っている。ただ、日本は米国と異なり、グレーゾーンを突破する気概は薄い。ある程度、国が協調領域を整える必要がある。今の日本には企業の挑戦意識と、それを可能にする政治行政が求められる」

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