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国際競争に乗り遅れるな!来年度に福島でドローン宅配実証

経産省、離着陸施設や通信制御塔などを整備
国際競争に乗り遅れるな!来年度に福島でドローン宅配実証

ドローン航空管制システムの共通基盤確立を目指す

 経済産業省は2017年度に飛行ロボット(ドローン)を活用した荷物配送の実証試験を福島県に整備予定の「ロボットテストフィールド」で始める。複数のドローンが飛行しても互いに接触しないよう制御するなど、ドローン航空管制システムの共通基盤を確立する。ドライバー不足や過疎化問題が深刻化する中、消費者宅に届けるまでの「ラストワンマイル配送」にドローンの応用を目指す。

 実証フィールドは福島県南相馬市に主要試験場が、同県浪江町にドローン離着陸訓練場が設置される。今回の実証では、10キロメートル以上離れたこの2拠点間をドローンが行き交う。

 実証に向け、ヘリポートのような離着陸施設やドローン用通信制御塔などを整備する。予算は16年度補正予算も一部活用する。

 国土交通省が定めた現行のドローン運用ルールでは、監督者の目視範囲内の飛行が定められている。実証フィールドは電波法なども含めた規制緩和特区となる見通しで、人がほとんど介在しないドローン運用も試験できる。

 政府は18年度に離島や山間部で、20年代に都市部でドローンによる荷物配送の実現を目指している。ドローンによるラストワンマイル配送は人口密度が低い地域や都市部にある高層マンションなどで需要が期待される。

 一方、15年夏に米航空宇宙局(NASA)が米アマゾンやグーグルなどとドローン航空管制システムの実証に乗り出すなど国際競争も始まっている。
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
目視なしで、ラストワンマイルをドローンで宅配出来れば、宅配事業者のためにも利用者のためにもメリットが大きい。特に山間部や離島における生活利便性が飛躍的に向上するのではないか。

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