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下町ボブスレーのムードメーカー、英会話教室でのあだ名は「ボブさん」

ケィディケィの佐藤社長、目標は「ジャマイカチームと英語で会話」
 ケィディケィは、下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会で、ボブスレーのハンドル部分など樹脂製部品の加工を担当している。佐藤武志社長は明るいキャラクターでメンバーを盛り上げるムードメーカー。樹脂加工を専門としながら、金属加工が主なプロジェクトに参加している佐藤社長に話を聞いた。


 ―プロジェクトの一環として取り組んでいることはありますか。
 「英会話教室に通っている。教室でのあだ名は『ボブ』。ソリの採用が決まったジャマイカチームと英語でやりとりできるようになるのが目標だ。またこれをきっかけに海外での取引につなげ、ビジネスの相手を世界に広げたい」

 ―ジャマイカ採用の効果ですね。
 「もともと『クールランニング』という映画がとても好きだった。採用は純粋にうれしく、もっと協力しようという気になった」

 ―ハンドル以外にはどのようなモノに樹脂が使われているのでしょうか。
 「展示会などでボブスレーの機体を置く台の役割を果たすダミーランナーに使われている。実際に走る部品ではないため壊れたらまた作ればいい。材料の提案をはじめ、いろいろ試すことで勉強にもなっている」

 ―プロジェクトに対する思いを教えてください。
 「当社は樹脂加工業のため、本体の製造に深く関われるわけではない。製造に関わっている人や中心メンバーをサポートし、プロジェクトが活動する限り最後まで付き合っていきたい」

<加工したボブスレーのハンドル>

主力は半導体向け部品加工


 ケィディケィは、工業用のエンジニアリングプラスチックの加工を手がける。食品を扱う機械から精密機械まで、幅広い分野の機械で同社製の部品が使われている。

 主力は半導体製造装置内の部品加工。寸法を出しにくい直径約50センチメートルの大きなプラスチックも高精度で加工する。温度管理から設備まで社内環境をエンジニアリングプラスチック加工向けに特化し、顧客の品質・コスト・納期に合わせて対応する。

 佐藤社長は「地域や生活に必要な存在になりたい」と、節電などの環境問題にも積極的に取り組んでいる。
日刊工業新聞2016年8月24日 中小企業・地域経済面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 何年か前、工場を持たない「メイカーズ」と大田区の町工場をどう結びつけるか、という趣旨のイベントに佐藤社長が登壇者として参加されていました。「ムードメーカー」の評判通り、最初の自己紹介のところから会場の爆笑を誘っていたことを思い出しました。

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