保険金支払うだけじゃない。生保、健康支援をオープンイノベーションで実現へ

アクサ生命はハッカソンを都内で開催

 生命保険会社が健康増進などをテーマに異業種と連携するオープンイノベーションを活発化させている。アクサ生命保険は異業種企業とアイデアを共創するハッカソンを開き、新しい保険の可能性を模索。メットライフ生命保険もベンチャー企業と病気の予防プログラムの開発に乗り出した。保険金支払いがメーンだった保険会社の役割が病気を防ぐ健康を支援するサービスへ力を入れ始めている。  アクサ生命はロフトワーク(東京都渋谷区)が主催したハッカソンに協賛した。100人以上の参加者の内、同社からは部長クラス約50人が参加。1グループ5―6人の少人数に分かれて未来の保険について議論を重ねた。家電業界やベンチャー企業など異業種と交流することで、「新しい化学反応を起こす」(小笠原隆裕執行役)のが狙いだ。  近年、保険会社は保険金の支払いだけでなく、健康を後押しするサービスの開発にも力を入れる。特にITの発展で健康状態のデータ取得のハードルが低くなっていることから、各社はITと金融を融合する「フィンテック」に注力。自前主義にはこだわらず、外部のパートナーと共同開発に持ち込む動きが出てきた。  メットライフ生命も東大院薬学系研究科、ベンチャーのハビタスケア(東京都中央区)と疾病を予防する専用サービスを2017年度にも開発する。ハビタスケアは糖尿病リスクを「体質」「環境」の両面から分析した上で、改善に向けた予防を提案するサービスを提供している。 このノウハウを活用し、東大の科学的知見を交えながら生活習慣病や認知症、がんなどに分析の領域を広げ、一人ひとりに生活習慣の改善などを行うサービスを提供する。  国内生保でもオープンイノベーションの動きが進む。日本生命保険は今秋に野村総合研究所が実施するハッカソンへ協賛するほか、自社単独での開催も検討する。さらに米シリコンバレーに職員を送り込み、有力ベンチャー企業などとの連携を模索する。  第一生命保険とかんぽ生命保険はヘルスケアをテーマに、異業種の企業を集めたビジネスコンテストを16年度中にも開催。健康を支援する新たな保険商品、サービスの開発につなげる。 (文=杉浦武士)

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