仮想発電所構築へ実証−経産省、7つのプロジェクト採択

 蓄電池や太陽光発電、燃料電池などの小さな電源を束ね、一つの発電所のように扱う「仮想発電所(バーチャルパワープラント)」を構築する実証事業が動きだす。経済産業省は7月29日までに、七つの実証プロジェクトを採択した。総勢38機関が参加し、電力の供給不足を瞬時に解消したり、再生可能エネルギーの導入量を増やしたりできる仮想発電所の実現を目指す。  経産省は実証支援のために、2016年度予算で約30億円を計上した。これまでのスマートコミュニティー実証で、仮想発電所を支える個別の技術を確立しており、今回の実証ではビジネスモデルを検証する。  もっとも参加者が多いのが「関西VPPプロジェクト」。関西電力や富士電機など14社・団体が家庭のエアコンや給湯器、蓄電池、工場・ビルの空調、自家発電機、太陽光発電を制御する。  NECは東京電力ホールディングス、積水化学工業、オリックスグループのONEエネルギー(東京都港区)など9社による実証を展開する。  ローソンはコンビニエンスストアを活用した実証を計画。他にソフトバンク系のSBエナジー(同)が長崎県の壱岐島で、東京電力エナジーパートナー(同)が横浜市でそれぞれ地域型の実証に取り組む。アズビルは蓄熱槽を活用する。  仮想発電所はIoT(モノのインターネット)を駆使し、電力が不足しそうになると家庭やビルの蓄電池を放電させたり、エアコンを弱めたりする。1台1台は小さくても、数万台を一度に制御すると火力発電所に匹敵する需給調整機能を発揮する。  太陽光や風力の発電が急激に増えた時は、電気自動車(EV)に充電を指示したり、給湯器を動かしたりする。あえて電力消費量を増やすことで、再生エネの変動を吸収する。17年度から始まる節電した電力の取引(ネガワット取引)が、仮想発電所ビジネスの第1弾。大手電力に送配電部門の分社化を義務づける、20年の「発送電分離」後に本格化しそうだ。

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