省エネ対策に人工知能の活用が始まった!製造現場の無駄をあぶり出し

三菱電機や富士電機などが自社工場に導入。IoTも活用へ

 省エネルギー対策にIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)の活用が始まった。三菱電機はIoTで、製造現場のエネルギーの無駄遣いをあぶり出している。富士電機機器制御(東京都中央区、)は、AIをほうふつとする学習機能搭載のエネルギー管理システム(EMS)を導入した。夏を迎え、節電対策にも最新技術が威力を発揮する。  三菱電機はIoTを活用し、エネルギーを含む膨大な生産情報を解析している。ある加工機は材料のセット、成形、次工程への搬送の動きを秒単位で解析し、加工も搬送もしていない時間を発見。そのわずかな時間だけ機器を停止するように、シーケンサー(制御機器)のプログラムを書き換え、待機電力を極限まで絞り込んだ。  同社の桜井光一環境推進本部長は「IoTで、より深くまで見える化できるようになった」と成果を語る。同社は2015年度、IoTによる生産改善で二酸化炭素(CO2)排出量を1万1000トン削減した。これは老朽化設備の更新など、省エネ投資による削減量に迫る数値だ。  富士電機機器制御の吹上工場(埼玉県鴻巣市)の大型画面には、電力使用量が表示されている。EMSを導入した事業所では良く見かける掲示だが、吹上工場のEMSは従来とは違う。  一般的なEMSはセンサーを使い、電力使用量を常時監視する。センサーを増設して計測ポイントを増やすと、機器ごとの使用量が分かり、無駄な電力の使い方を発見できる。  吹上工場はセンサーに頼らない。過去の使用実績からEMSが曜日別、気温別の使用パターンを生成して蓄積。予測する日と近いパターンを蓄積から選び、電力使用量の予測値を導き出す。予測と実績に差があると学習し、予測精度を高める。15年度は電力使用量を13%削減しており、学習効果によって16年度はさらなる低減が期待できる。  NECの玉川事業場(川崎市中原区)の9号館は、センサー技術と情報通信技術(ICT)の組み合わせで省エネ化を進めてきた。EMSによる使用量のきめ細かい計測や予測以外にも、人の在室を判断して照明や空調を調整する人検知センサーも配備した。分電盤から機器別の消費電力を見える化する「電力指紋分析技術」も採用。省エネ機器の導入効果も含め、電力使用量を半減した。  国は30年度までのEMS普及率として工場23%(12年度4%)、ビル47%(同6%)を見通す。工場ではIoTによる改善の推進も省エネ施策に挙げており、省エネにも最新技術の採用が進みそうだ。 (文=松木喬)

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