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鴻池運輸がインドで医療機器のオンライン受発注サービスを始める理由

まずデータベースを構築、物流事業の展開を視野に入れる
鴻池運輸がインドで医療機器のオンライン受発注サービスを始める理由

インドの病院に医療品、医療機器の総合カタログを配布する

 鴻池運輸は8月にインドで医療機器や器具、医薬品など3万アイテムをウェブサイトから受発注できるデータベースを構築し、これらを掲載した医療材料総合カタログも発行して、国内8000の病院に配布する事業を始める。カタログの2次元コードをスマートフォンで読み込むと、ウェブサイトから商品を発注できる。データベースをメーカーや卸と共有し、8月から順次、取扱商品を拡大。鴻池運輸ではインドにおける医療物流事業の展開を視野に、まず流通ルートの基盤を作って市場に参入する。

 医療材料総合カタログは1冊目は無料で配布し、2冊目以降は1冊3000円程度で販売する。カタログにメーカーなどの広告を掲載して、広告料も収益源とする。今後、システムを使いこなせる実務者を育成するため、病院内の在庫管理の研修なども実施する。2016年中にインド国内の病院に配布し、17年には掲載する製品を10万アイテムに拡大するなど、内容を充実させる。

 鴻池運輸は11年からインドの市場調査を開始。だが、国内に医療関連の卸だけで約60万社あり、一つの病院で200社以上の業者が出入りするなど、病院を取り巻く物流ネットワークが未成熟だったため、13年11月に現地法人「カルナ・メディカル・データベース」を設立した。鴻池運輸では医療材料の物流の仕組みを作り、ニーズを顕在化させることで、インドにおける事業拡大の基盤を作る。
日刊工業新聞2016年7月13日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
インドはアジアの中でも、医療機器、医薬品などの成長市場。人口13億人に対して、医療が絶対的に不足している。

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