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「日本の産業が伸びる背中を押してくれるのがIoT」(GEジャパン社長)

生産性向上で日本企業に協業呼びかけ
 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は6日、IoT(モノのインターネット)技術の活用を目指す企業を対象としたイベント「GEデジタルデイ2016」を都内で開いた。GEジャパンの熊谷昭彦社長兼最高経営責任者(CEO、写真)は基調講演で「日本の産業が伸びるチャンスが到来しつつある中、最後に背中を押してくれるのがIoT。多くの企業トップが関心を示している」と語った。

 GEはIoT技術を使い、世界中の産業機器をつないで効率化する「インダストリアル・インターネット」構想を打ち出している。熊谷社長は「生産性向上は日本の製造業のお家芸。(それを加速させる)IoTは世界に先駆けて日本で広がっていくのではないか」と分析した。

 GEの取り組みとして、機器だけでなくソフトウエアや解析を含めた新サービスの提供を積極化する方針を説明。その新サービスを支えるIoT基盤「プレディックス」などについて紹介した。

 熊谷社長は「新分野であるIoTビジネスのすべてを自社でカバーできるとは思っていない。(プレディックスの魅力向上などのため)いろいろな企業とパートナーシップを構築したい」と話した。

(GEから期待感あるメッセージが投げかられる一方で日本勢は動きが鈍い。写真は熊谷社長)
日刊工業新聞2016年7月7日
八子知礼
八子知礼 Yako Tomonori INDUSTRIAL-X 代表
インダストリアル・インターネットの目指すところは効率や生産性よりむしろ異なる事業ドメインへの進出や大小企業を超えたオープンな組み方による新たなビジネスの創出。GEからは期待感あるメッセージが投げかけられているのに日本勢が動き鈍く見えるのは、生産性向上に強くこだわりすぎているからに他ならない。進んでいる企業は熟練者の減少対策など本当に解決しなければならない社会課題に向かっている。この間のギャップをどう埋めて生産性改革から新事業創出に目線を上げて取り組む事ができるかに掛かっている。

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