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参院選特番でAI活用。ビッグデータ分析で若者の動向調査

<追記あり>テクノスデータサイエンス、フジの専門チャンネル生放送向けに提供
参院選特番でAI活用。ビッグデータ分析で若者の動向調査

18-19歳の投票動向に注目が集まる

 テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE、東京都新宿区)は、参議院議員選挙の開票結果を伝える選挙特番向けに、人工知能(AI)を活用したビッグデータ(大量データ)分析サービスを提供する。若者の利用が多い「ツイッター」などの情報源に対し、AIを使ってリアルタイムに分析。結果を選挙特番に反映させ、若者の選挙に対する意識や傾向を高精度に読み解く。

 サービスを導入するのは、10日19時58分からフジテレビのニュース専門チャンネルで生放送される参院選特番「みんなの選挙2016×ホウドウキョク」。TDSEが取り扱う米ネットベースのAI型ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)分析サービス「ネットベース」を提供する。

 今回の参院選は選挙権年齢が「18歳以上」に拡大。18、19歳の若者約240万人が有権者に加わる。同サービスを活用し、若い有権者の動向をAIで読み解く。

 特番ではソーシャルメディアで発信した情報が政党の支持や投票、得票数にどう影響するかを検証する。ネットユーザーの意識や世代間ギャップもリアルタイムに解析し、傾向を直感的に示す。こうした放送内容に同サービスを活用する。

 ネットベースは高度な自然言語処理技術により、ソーシャルメディア上での製品・サービスを高精度に分析できる。ツイッターのほか、「フェイスブック」や「Amebaブログ」、「2ちゃんねる」などのSNSを分析できる。また楽天やアマゾン、ヤフー、カカクドットコムなどの電子商取引(EC)サイトレビューも解析可能だ。
日刊工業新聞2016年7月4日
原直史
原直史 Hara Naofumi
AIを使うと書いてあるが、このAI自体の信頼性は、誰がどのように検証し、担保しているのだろうか。それが明確でないと、選挙報道の一部というより、エンターテインメント性が強くなるようにも見える。信頼性が高いという前提であるなら、この試みは面白い。SNSの情報と実際の行動の結びつきがある程度把握できれば、SNSをAIデータとして活用する範囲は、大きく広がるだろう。

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