シェアリングエコノミーより「サーキュラーエコノミー」!?

循環型経済で2030年までに4兆5000億ドルの経済効果が

 5月に富山市で開かれた主要7カ国環境大臣会合は「富山物質循環フレームワーク」を採択し、資源効率性の向上や3R(廃棄物の発生抑制、再使用、再生)に取り組むことを確認した。  いま、資源循環が経済界でも話題となっている。象徴的なのが、欧州委員会が2015年末に採択した「サーキュラーエコノミー(循環型経済)パッケージ」だ。日本で「循環」というと環境政策だが、サーキュラーエコノミーは経済政策も含む。限られた資源の有効利用に知恵を絞り、新しい産業や雇用を生みだそうとする成長戦略の位置づけだ。  アクセンチュアはサーキュラーエコノミーの実践で2030年までに全世界で4兆5000億ドルの経済効果が生まれると分析した。同社戦略コンサルティング本部の朝海伸子氏はサーキュラーエコノミーを「資源を使い続けるビジネスモデルへの変革」と解説する。  同社は具体的に五つのモデルを示した。一つが、再生材や生分解性のある素材を使う「再生型サプライ」。二つ目は「回収とリサイクル」。ここまでは環境政策と同じだ。  三つ目のモデルが「製品寿命の延長」。製品が長く使われるほど、資源の価値が上がる。そのために保守・修理といったサービス業の比重が高まる。さらに遠隔監視によって故障の発生を未然に防ぐM2M(機器間通信)、IoT(モノのインターネット)の需要が生まれる。  四つ目の「シェアリングプラットフォーム」は、カーシェアリングのような共同所有を指す。自動車は初期投資が高い割に稼働率が低い。カーシェアを利用すると稼働率が上がって資源が有効利用される。  自動車の販売は減りそうだが、同社戦略コンサルティング本部の牧岡宏氏は「自動車の購入を諦めていた5人がカーシェアで1台を持てるなら、車メーカーは新しい顧客を開拓できる」と市場拡大の可能性を指摘する。また、車の稼働が1台増えれば保守の頻度も上がり、サービス業が拡大する。  すでに配車サービスを手がける米ウーバーのようなシェアリング企業が現れている。メーカーは「製品がシェアに適しているのかどうか、シナリオを考えるべきだ」(牧岡氏)と助言する。  そして五つ目は「サービスとしての製品」。製品を売らず利用時間に応じて課金するようなビジネスだ。朝海氏は「日本は資源を輸入に頼っており、サーキュラーエコノミーに移行する必然性が高い」とし、ビジネスチャンスがあると話す。

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