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「ジェネリック医薬品」の需要増を見据え、妙中鉱業が新工場

「ジェネリック医薬品」の需要増を見据え、妙中鉱業が新工場

今夏に稼働する化学品事業新工場

【千葉】妙中鉱業(千葉県茂原市、妙中寛治社長、0475・24・0140)は、医薬品原体製造を主体とする化学品事業強化のため新工場を建設、今夏に本格供給を始める。ジェネリック医薬品(後発薬)原体の需要増加に対応する。約25億円を投じ製造棟を建設し、先端設備を導入。主力製品のみ製造する想定で試算した場合、生産能力は現状比2倍になる。新工場稼働で全社売上高133億円(2016年3月期)の2割程度を占める化学品事業を、3年後をめどに2倍規模に育成する考えだ。

 国が後発薬利用を推進することを背景に、妙中鉱業の原薬製造受託も増加している。供給能力増強とともに生産の高度化や効率化を目的に新工場建設を決めた。

 新工場は本社隣接地に建設し、延べ床面積2600平方メートル。同社の持つ品質管理のノウハウを生かすともに、処理能力が高く、省人化が図れる生産設備を設置した。

 まもなく試験製造が終了し、本操業に入る段階にあるという。新工場稼働で供給の安定化を図るとともに、新製品の導入も計画する。

 これにより、化学品の事業規模拡大を促進する。

 妙中鉱業はモリブデンを製錬・販売する合金鉄事業、ロストワックス製法による精密鋳造事業と化学品事業が3本柱。化学品事業はアミノ酸の精製・合成技術を持ち、原薬のほか工業薬品、食品添加物を製造している。
日刊工業新聞2016年6月21日ヘルスケア面
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
政府は医療費抑制のため、後発医薬品の数量シェア(「後発医薬品のある先発医薬品」と「後発医薬品」を分母とした「後発医薬品」の割合)を現在の5割強から、5017年央に70%以上、18-20年度末までに80%という野心的な目標を掲げている。原薬新工場もこうした需要の高まりを見越して、ということなんだろう。

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