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大手と中小、賃金格差是正は実現したのか

連合会長「縮小している」
 連合は16日、第7回中央闘争委員会を開き、今後の2016年春闘方針を確認した。連合がまとめた5月末時点の春闘の回答集計では8割を超える組合が回答を引き出し、平均賃金方式4764組合の組合員数加重平均は5817円、賃上げ率は2・00%。このうち300人未満の中小組合3478組合の回答は4362円、同1・81%と、いずれも昨年同時期を下回った。

 昨年同時期の全体の賃上げ率は2・23%、中小は1・90%だった。中央執行委員会と闘争委員会後、会見した神津里季生連合会長は「全体と中小との格差は縮小している」と述べ、現在交渉中の中小・地場組合への交渉支援に全力を挙げる考えを示した。

 一方、非正規労働者の賃上げ額(単純平均、時給)は17・26円で、昨年同時期の14・63円を上回った。
日刊工業新聞2016年6月17日
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
今年の春闘は、大手企業の賃上げの流れを中小企業や非正規社員にどこまで波及するかが課題でした。その点では確かに成果は出始めているのでしょう。一方で、賃金相場を主導する自動車をはじめ大手企業の収益環境は年明け以降、悪化。為替の円高進行も気になるところです。

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