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「小口融資」はフィンテックの成長領域になるか

<追記あり>ミュージックセキュリティーズが7月から小規模事業者へサービス
「小口融資」はフィンテックの成長領域になるか

純米酒専門酒販店・日本酒BARのファンドも組成

 ミュージックセキュリティーズ(東京都千代田区)は、7月からフィンテック(金融のIT化)を活用した小規模事業者向け小口資金供給サービスを開始する。クラウド上の事業者の財務情報を活用することでデューデリジェンスを効率化。投資家はこまめな事業モニタリングが可能となる。速やかな資金供給により、中小事業者をサポートする。

 最近では無料のクラウド会計ソフトを使う中小事業者が増えている。クラウド上の財務データや事業計画書を活用することで、ファンド組成を迅速化。事業者にとっては、書類を作成する手間を減らせるメリットがある。資金供給額は1件あたり平均1200万円になる見通し。現在は仲介役となる税理士事務所や会計士事務所を束ねる会社との提携交渉を進めている。

 ファンド組成だけでなく、対投資家でもフィンテックの活用を進めたい意向。提携する地銀にAPI(応用プログラムインターフェース)を提供し決済手続きを効率化するほか、銀行のインターネットバンキングを通じ同社ファンドを販売することも構想している。

 ミュージックセキュリティーズは、投資家から小口で資金を集めファンドを組成、中小事業者の新事業開発などをサポートしている。東日本大震災からの復興を目指す企業を応援するファンドを立ち上げるなど社会貢献性の高い活動にも注力。現在393本のファンドを運営している。
日刊工業新聞電子版2016年6月11日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
情報源が企業が自ら開示する財務諸表なので、果たしてフィンテックとまで呼べるかどうか分からないが、業務プロセス改革としては有効であろう。良い試み。

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