温暖化の原因物質「CO2」を燃料にする夢の技術!

「人工光合成」の開発をけん引する企業はどこ?

パナソニックの人工光合成装置

 人工光合成は太陽光の働きで水や二酸化炭素(CO2)から燃料や化学品原料を作り出します。 基本的には水中に光触媒をセットした装置です。装置に太陽光を注ぎ、反応した光触媒の働きで何かの物質をつくり出します。  東芝は14年11月の学会で人工光合成装置を開発したと発表した。CO2と水を材料に太陽光の力で燃料の原料となる一酸化炭素(CO)を生成できる。太陽光からCOを作るエネルギー効率は1・5%。植物の光合成で最も高効率とされる藻に匹敵する。豊田中央研究所、パナソニックに続き東芝も開発に名乗りを上げ、“夢の技術”と思われていた人工光合成の実用化が見えてきた。  植物の光合成は太陽光で水を酸素分子と水素イオン、電子に分解する「明反応」、CO2を還元してでんぷんを作る「暗反応」の2段階で進む。この仕組みを模したのが人工光合成だ。90年代から日本の研究者が研究を続けてきた。    パナソニック先端研究本部の四橋聡史主幹研究員は「太陽光で何かを作るのが人工光合成」と定義する。同社の装置はギ酸やメタンを生成できる。窒化ガリウム(GaN)とシリコンを組み合わせた電極によって利用できる光の波長を広げ、CO2を還元できるエネルギー状態まで電子を一気に高めることに成功。GaNにインジウムを混ぜる改良によってギ酸生産の効率を1%に向上させた。「インジウムを増量して電極を作れれば、5%まではいける」(四橋主幹研究員)という。  将来、人工光合成装置をゴミ焼却場や火力発電所に併設すると、排ガスから回収したCO2で燃料や化学原料を生産できる。捨てられているCO2が原料なので化石資源の新たな使用を抑制できる。  もちろん温暖化対策にもなる。東芝は20年代の実用化を、パナソニックは20年の実証開始を目指す。

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