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富士重、3年間で国内設備投資2800億円。「生産の軸足は日本」(吉永社長)

過去最高の水準。矢島工場などのラインを刷新
 富士重工業は2018年度までの3年間で、複数の工場で構成する群馬製作所など国内に計約2800億円を投じる。3年間の国内投資額として過去最高水準。同社は北米販売が好調で、20年度に世界販売を当初計画比10万台増の120万台超に引き上げる計画を掲げる。群馬製作所は輸出拠点として重要な役割を担っており、積極投資でスバル車の需要増に着実に応える。

 富士重は16-18年度までに4700億円の設備投資を予定している。このうち6割を国内投資に振り向ける。具体的には主力車種「レガシィ」や「フォレスター」などを生産する矢島工場(群馬県太田市)内にある塗装ライン2ラインのうち、1ラインを刷新するなど国内拠点の新規の設備導入や老境化した設備の更新費用が投資のメーンとなる。

 同社は北米の販売台数が当初計画より約5年前倒しで60万台を超えるなど、好調が続いている。足元で需給が逼迫しており、18年度までに生産能力を15年度比約3割増の113万2000万台に増強する。

 国内の生産能力は15年度で63万6000台で、18年度までに69万6000台に引き上げる計画だ。吉永泰之社長は「北米で販売が伸びても、生産の軸足を日本から移す考えはない」とし、日本での生産を重視する方針を示している。
日刊工業新聞2016年5月21日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
日米優先という方向性は変わらず。あとは中国をどうするか。

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