ニュースイッチ

パナソニック、人気再燃でターンテーブル復活。今後の展開は?

パナソニック役員 テクニクスブランド事業担当・小川理子氏に聞く
パナソニック、人気再燃でターンテーブル復活。今後の展開は?

再投入するターンテーブルと小川役員

 パナソニックは高級オーディオブランド「テクニクス」で、2010年の生産終了後も顧客からの復活要望が根強かったターンテーブル(アナログレコードプレーヤー)を再投入する。同ブランド自体も、新開発のオーディオシステム投入に合わせて復活させてから1年半が経過した。テクニクス担当の小川理子役員にその現状と今後を聞いた。

―テクニクスは順調な立ち上がりですね。

「昨秋、従来の2シリーズの間に位置する中級クラスのオーディオシステム投入を宣言し、販路開拓が進んだ。テクニクス復活当初は、『今度は続けてくれるのか』、『ラインアップが少ない』といった販売店からの声を受け、商品で示すしかないと考えた。足しげく通い、音や技術、デザイン価値を認めてもらう地道な活動を続けた」

―今回のターンテーブルは限定モデル。量産モデルの計画は。

「年内に国内外で投入するのが目標だ。アーティストがCDと同時にレコードを発売するなど、シニア層だけでなく、若い人たちも興味をもち、レコードの人気が再燃している」

―車載用テクニクスオーディオの進捗(しんちょく)は。

「家庭用で培った技術をどのように車に展開するかを車載部門と検討している。スピーカーやアンプなどのコア技術はある。車室空間にどうすりあわせるかだ」

―パナソニックの中でテクニクスとは。

「家電も高付加価値品に力を注ぐ。当社の中でプレミアムブランドを確実に育成することの意義は大きい」
(文=大阪・松中康雄)

【関連記事】
アナログレコード市場じわり―パナソニック、高級ブランドのターンテーブル復活
日刊工業新聞2016年5月20日 モノづくり面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
じわりとアナログレコードブームですが、ターンテーブルがもっと安価で身近なものになればなと思います。車載用のリッチなオーディオも気になるところ。

編集部のおすすめ