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「オランジーナ」インスタ立ち上げ、「ペプシ」ツイッター活用―サントリー食品

SNSで情報発信強化、若者にアプローチ
「オランジーナ」インスタ立ち上げ、「ペプシ」ツイッター活用―サントリー食品

オランジーナのCMにフランス人女性を起用。ブランドサイトでフランス語講座を立ち上げる

 サントリー食品インターナショナルが、会員制の参加交流型サイト(SNS)やスマートフォンを活用した情報発信を強化している。24日にリニューアル発売する果汁入り炭酸飲料「オランジーナ」のCMにフランス人女性が出演するのを機に、ブランドサイトでフランス語講座を立ち上げるほか、画像共有サービスのインスタグラムでも画像投稿を計画。6月21日に発売する「ペプシ」の新商品では、スマホによる発売前キャンペーンを始めた。SNSやスマホを通じた顧客へのアプローチで、商品の浸透や商品開発につなげる狙いだ。

 食品業界では、永谷園や日清食品も情報通信技術(ICT)を用いた販売促進を拡充している。

 スマホやSNSを活用したマーケティングは商品情報の拡散だけでなく、商品に対する市場の声などをビッグデータ(大量データ)として広く収集するインフラとして、企業の関心が高まっている。サントリー食品も、こうしたICTの活用を積極化する。

 オランジーナはサントリー食品の主力ブランドの一つ。2015年度はブランド全体で前年度比39%増、1300万ケースを売り上げた。16年は3月に高価格品のブラッドオレンジを発売したのに続き、5月24日にハニーレモンジーナを投入、オランジーナもパッケージを刷新する。

 他社炭酸飲料や果汁飲料に比べ“フランス”が差別化の特徴であるため、情報発信もそれを強調。ペプシ新商品は強力炭酸とカフェインが売りで、商品がもらえるキャンペーンはスマホなどでSNSのツイッターアカウントやサントリーのLINE公式アカウントに登録することが条件になる。

 同社がSNSやスマホの販促に力を入れるのは、競争の激しい飲料新商品は発売とともに集中的に認知度アップの仕掛けが欠かせなくなっていることに加え、若者のテレビ離れが挙げられる。SNSや若者同士の情報交換ブログなどで商品画像や感想がアップされれば、売り上げ増加や囲い込みにつながる。また、ビッグデータ収集の基盤としても活用が見込める。
(文=編集委員・嶋田歩)
日刊工業新聞2016年5月20日 建設・エネルギー・生活2面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
オランジーナは他の炭酸飲料とは違い、50~60代の女性にうけているというデータがあります。味はもちろんですが、「フランス」にまつわるようなストーリー性もう受け入れられている理由のようです。

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