増税判断にも影響。1-3月期のGDP成長率、あす発表

民間予測は0%台の低い伸び

 内閣府が18日に発表する1―3月期の実質国内総生産(GDP)成長率(速報値)について、シンクタンク44機関は平均でプラス0・28%と、0%台の低い伸び率と予測する。日本経済研究センターが16日発表したESPフォーキャスト調査(シンクタンク予測調査)で示された。4月以降も熊本地震の影響、世界経済の先行き不安がくすぶる。安倍晋三首相が17年度の消費増税延期をいつ政治判断するのか、決断の時期が焦点になってきた。  1―3月期のGDPは、首相が消費増税延期の是非を判断する材料の一つとされる。シンクタンクの間には「うるう年でなければ実質的にマイナス成長」との指摘もあり、個人消費停滞を主因に、景気の回復力は依然弱い。  4月は熊本地震が発生したほか、日米の金利差が予想より拡大しないとの観測から為替相場は円高基調で推移。内閣府がまとめた4月の景気ウオッチャー調査では、足元の景況を示す現状判断指数が熊本地震の影響を受けて2カ月ぶりに低下し、「個人の一般客はほぼキャンセル」(近畿の旅行代理店)される状況などの声が聞かれる。期待された16年春闘での賃上げ率も前年を下回る見通しで、個人消費に明確な回復の兆しはみられない。  世界経済の先行きも不透明だ。国際通貨基金(IMF)が16年の世界の実質成長率を3・2%(1月時点は3・4%)、日本は0・5%(同1・0%)に下方修正するなど、世界経済の減速懸念がくすぶる。このため26日開幕の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は「世界経済」を最大のテーマとし、主要7カ国(G7)が金融、財政、構造改革で政策協調する共同宣言を採択する見通しだ。  サミット議長国の日本は、中でも財政政策を主導することが期待され、安倍首相がサミット後にも決断する17年度の消費増税の行方を市場は注視する。  首相が増税延期を決断した場合、消費増税で見込んだ税収増を子育て支援などに充てる社会保障財源に1兆円規模で穴が開く。  この財源確保の問題や、消費増税を前提とした20年度までの財政健全化計画の練り直しが必要になる。野党は政権の経済政策「アベノミクス」の失敗と7月の参院選で訴えるのは必至とみられる。  サミットが世界経済の減速懸念を緩和させ、安倍首相は停滞する個人消費の一段の停滞を回避するための“切り札”をいつ切るのか。7月の参院選に続き衆院解散も取り沙汰される中、自民党内に増税延期を求める声がある一方、延期に慎重な意見も依然あるなど“一枚岩”ではない。  首相は増税延期の是非をサミット直後の今国会会期末(6月1日)に表明するのか、それとも衆院解散を視野に決断は遅れるのか―。政治判断の時期に市場の関心が集まる。 (文=神崎正樹)

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