喜べない赤字縮小 15年度貿易収支は「縮小均衡」

 財務省が20日発表した2015年度の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆792億円の赤字で、東日本大震災の影響を受けた11年度から5年連続の赤字となった。ただ赤字額は前年度の9兆円強より88・2%も少なく、収支は改善した。16年度は熊本地震や円高基調の為替相場が輸出に及ぼす影響が懸念される。  15年度の輸出は前年度比0・7%減の74兆1173億円で3年ぶりの減少。自動車は同7・7%増と堅調ながら、鉄鋼が同15・6%減に落ち込むなど、アジア輸出が停滞した。  地域別の輸出は対米国が同6・2%増、対欧州連合(EU)が同5・2%増、対アジアは同2・8%減、アジアのうち中国は同3・1%減だった。  輸入は同10・3%減の75兆1964億円と2年連続の減少。原油が価格低下で同37・9%減と大幅に減少した。    15年度の貿易収支は改善したものの、輸出入ともに減少した”縮小均衡“方向の改善と言える。同日発表の3月単月の貿易収支も7550億円の黒字ながら、輸出(前年同月比6・8%減)も輸入(同14・9%減)も減少した。  16年度は、1ドル=120円38銭だった前年度の平均為替レートより円高な相場や熊本地震が輸出に及ぼす影響、さらに持ち直しの動きを示す原油価格が輸入増につながるかなどが焦点になりそうだ。

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