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ブルーライト、近赤外線も防ぐ!日焼け止めに“新たな防御機能”

化粧品各社、独自技術で差別化
ブルーライト、近赤外線も防ぐ!日焼け止めに“新たな防御機能”

ポーラ「BA プロテクター」

 化粧品メーカー各社は、従来の日やけ止め機能に“新たな防御機能”を加えた製品を相次いで投入している。2016年のゴールデンウイーク(GW)は、平日2日間の休暇を取得すると最大10連休となる。山や川にテーマパークにと太陽の光を浴びてレジャーを満喫する人も多いはず。肌が焼けないように日やけ止めを塗って、紫外線(UV)対策に力を入れる人も多いだろう。UVに加えて注意が必要なのが、近年の研究で肌への悪影響が明らかになった近赤外線や、可視光の中でも強いエネルギーを持つブルーライトだ。

 ポーラは紫外線だけでなく「近赤外線」も防ぐ、日中用のケアクリーム「BA プロテクター」を発売した。地上に到達する日光に含まれる紫外線が約7%なのに対して、近赤外線は約30%を占めるという。同社は近赤外線が肌の水分保持力や組織再生力を衰えさせ、皮膚の弾力性低下につながる原因になることを発見した。独自成分を配合し、紫外線と近赤外線を防ぎ肌の水分を守る。

 仏ロレアルの日本法人である日本ロレアル(東京都新宿区、ジェローム・ブリュア社長、03・6911・8151)は、「ブルーライト」を防ぐ日やけ止め用乳液「UV エクスペールXL CCC」を発売した。ブルーライトは肌細胞全体を変色させる原因になるという。

 ブルーライトはパソコンやスマートフォン、テレビ、街のネオンなどの身の回りから24時間発せられている。同社が日やけ止め用乳液に配合した新成分は、ブルーライトを吸収し肌の色素沈着を抑える働きがある。

 一方、紫外線の波長の中で約50%を占める「最長波」を狙って防ぐ製品も出始めた。富士フイルムは、最長波を防ぐ美容液兼化粧下地「アスタリフト ホワイト パーフェクト UV クリアソリューション」を投入。最長波は窓ガラスを通過して室内にいる人の肌の奥深くまで到達し、たるみやシミを引き起こす原因になる。紫外線散乱材を紫外線吸収剤で結合させ、今まで防ぐのが難しかった最長波から肌を守る。

 富士経済の調査によると、15年の日やけ止め市場は前年比8.5%増の331億円の見込みで、美肌ケアやアンチエイジング意識の高まりから市場は年々拡大傾向だ。独自技術で競合と差別化し顧客をつかむ製品戦略は、今後もさらに激しくなりそうだ。
(文=山下絵梨)
日刊工業新聞2016年4月22日 建設・エネルギー・生活2面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
ブルーライトは目に悪いだけでなく、肌にも影響があったとは…。室内で一日中仕事をしていれば肌には安心かと思っていましたが、今後は気を付けていきたいです。

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