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雪や雷に強い航空機 JAXAなど18機関で研究へ

雪や雷に強い航空機 JAXAなど18機関で研究へ

雪氷や雷、火山灰などに関する研究を進める(JAXAの公表資料から)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、全日本空輸や富士重工業、気象研究所、大阪大学など17機関と締結した「気象影響防御技術の研究開発に関する連携協定」の内容を発表した。これらの18機関が参画する「気象影響防御技術コンソーシアム」を立ち上げ、民間航空機の安全な飛行に役立てるための研究開発に取り組む。

 同コンソーシアムには、このほか大学側から神奈川工科大学や関西大学などが参加。企業としては、日本航空や日本特殊塗料などが加わっている。

 気象に関わる専門家や滑走路の路面対策に関わる土木の専門家らがメンバーとなり、航空機の運航に影響が大きい雪氷や雷、火山灰などの特殊な気象に関する技術の研究開発を進める。気象現象を要因とする航空機事故の発生の低減や欠航の回避、遅延の解消などにつなげる。

 例えば、2017年度までに航空機の機体への着氷を防止する高性能なコーティング剤の開発や、滑走路の積雪状況をリアルタイムでモニタリングする機能の検証を行う考えだ。JAXAの渡辺重哉航空技術部門次世代航空イノベーションハブ長は同日の会見で「ニーズを見極めた上で研究、実用化し、気象の影響による事故を減らしたい」と語った。
日刊工業新聞2016年4月8日 科学技術・大学面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
航空機を悪天候にも強くする技術、大いにニーズがありそうですね。ただ、こうした技術を開発しても実機への適用には時間がかかりそうです。

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