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住友ゴム、粘着性素材で傷ふさぐパンク防止タイヤを開発

2ー3年内に量産へ
 住友ゴム工業はタイヤトレッド部の裏側に粘着性と粘り気のある特殊材料(シーラント剤)を塗布する技術「コアシール」を施したパンク防止タイヤを、2―3年内に量産する検討に入った。トレッド部の裏側まで貫通する損傷が発生した際、シーラント剤が傷をふさいで、空気の漏れを防ぐ。パンクを発生させることなく、空気圧を維持したまま走行を続けられる。通常のタイヤと比べて安全性が向上する。

 コアシール技術は、直径5ミリメートルまでのクギやネジ等の異物がトレッド部に刺さって貫通した場合、シーラント剤が異物に粘り着く。異物が抜けた際は、抜けてできた穴に同剤が入り込んでふさぎ、空気漏れを防ぐ。

 走行時の安全性向上に寄与するだけでなく、スペアタイヤが不要となるため、省資源化や車両の軽量化、車両設計の自由度向上が図れる。池田育嗣社長は「開発完了のめどがほぼついた」としている。今後、細部を詰めて量産化に道筋を付ける。生産を担当する工場は現時点で未定。
日刊工業新聞2016年4月8日 自動車
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
住友ゴムは2020年までの経営計画で地球環境に配慮したタイヤを開発することを重要施策の一つに挙げている。コアシール技術の開発もその一つで、昨年の東京モーターショーでプロトタイプ出品した。

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