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東芝白物、これだけの高値で売れれば大成功。資金繰りに余裕できる

40年間使用のブランド管理には細心の注意が必要
東芝白物、これだけの高値で売れれば大成功。資金繰りに余裕できる

ニューヨーク・タイムズスクエアの名物にもなっている東芝の看板

 東芝は30日、100%出資会社の東芝ライフスタイル(川崎市川崎区)の発行済み株式80・1%を、美的集団(広東省)に売却すると発表した。売却額は約537億円。東芝は2016年4―6月期に税引き前利益約900億円を計上する見通し。東芝ライフスタイルは6月30日付で美的の傘下に入る。東芝は東芝ライフスタイルの発行済み株式の19・9%を保有する。美的は白物家電のブランドを40年間使用するほか、生産・販売拠点や雇用を維持。東芝ライフスタイルの映像事業は東芝メディア機器(青森県三沢市)に会社分割で承継する。
日刊工業新聞2016年3月31日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
大幅赤字で、実態債務超過の子会社、東芝ライフスタイルの株式をこれだけの高値で売却できれば、東芝としては大成功だ。来期に約900億円の売却益を計上するとされており、先般の東芝メディカルシステムずの売却益約5900億円と合わせ、自己資本比率の低下に歯止めがかかり、資金繰りにも余裕ができた。ただし、今後40年に亘り美的に東芝ブランドの使用許諾をしており、ブランド管理には細心の注意が必要だ。

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