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低層建築をプレキャスト工法で。人材不足の解決なるか

拓南製鉄(那覇市)などが実証
低層建築をプレキャスト工法で。人材不足の解決なるか

プレキャスト工法による実証建築の現場

 拓南製鉄(那覇市)は、低層建築物のプレキャスト(PCa)工法による工期短縮に取り組む。オリジン建設(那覇市)などと共同で沖縄県沖縄市に共同住宅を建築して実証する。通常工法に比べ工期を25%短縮する見込み。工法の県内普及を進め、建築人材不足への対応にもつなげる。

 実証の共同住宅は4階建て22戸。壁やベランダもPCaで製作する。県内の建設会社や自治体などへ提案する。コンクリート成型用の型枠は他の物件でも使うことで納期を短縮しコストを下げる。

 同工法は建築現場でのコンクリ打設が要らず作業や機材を減らせる。一方で型枠のコストがかかるため、部材の標準化と大量生産が必要。中高層建築に比べて低層建築は部材の使用量が少なく、同じ部材を使う建物を複数建てる必要がある。

 拓南製鉄は電炉メーカー。東京鉄鋼が開発した棒鋼材「ネジテツコン」のライセンス生産などを行っている。実証で建設した住宅は、社宅や福利厚生施設として利用する。
日刊工業新聞2016年3月30日 中小企業・地域経済面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
公共工事をはじめとした建設土木分野は、沖縄にとって観光とならぶ産業の柱。ホテル建設も相次ぐなど好況の一方、人材不足が課題です。

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