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CEOの6割がCFOの役割拡大に期待。グローバルや経営変革など

KPMG調査。逆に3割が「自社のCFOが直面する経営課題に対応できていない」
CEOの6割がCFOの役割拡大に期待。グローバルや経営変革など

今のソニーを実質的に仕切る吉田副社長兼CFO(左)

 KPMGは、CEO(最高経営責任者)から見たCFO(最高財務責任者)の役割について調査をまとめた。2014年から15年にかけ、全世界の500人以上の経営幹部を対象に実施。調査対象のCEOの約6割が「CFOの役割は今後3年間で大きく拡大する」と期待する一方、CEOの約3割が「自社のCFOが直面する経営課題に対応できていない」と感じていることが分かった。

 CFOが成果を上げるために必要なビジネス上の資質としては「グローバルな経験」がトップ。2番目以降には「変革やイノベーションの経験」「在任年数」「業界経験」などが続いた。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
 今の日本のCFOは主に2通りに分かれる。いわゆる経理課長タイプ。もう一つは全社の戦略マネジメントをサポートするタイプ。まだまだ前者が多いと思うが、自分が直接知る中で、後者で一番機能しているのがソニーの吉田さんではないか。「影の社長」とも言われるほど、CFOになってソニーの業績は改善軌道に乗ってきた。  もともと吉田氏はソネットの社長を務めており、ソニー本体の外からネット戦略を冷静に見てきた。なので、逆に浮ついたハードとネットの融合とかは言わない。まずデバイスなど収益化ポイントを明確にさせ、そこからM&Aなどを含め次の成長戦略へ動き出している点は評価できる。平井社長とのコミュニケーションだけでなく部長クラスの中堅幹部の意見も気さくに聞いている。CEOと同じで日本は外部から有能なCFOをぽっと連れてくるのはまだまだ難しい。いかに社内でそのような人材候補を育ていくかも重要になる。

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