やっぱり自動車は品質が命。日の丸デバイスは信頼性でリードできるか?

この春、東光、日本航空電子工業が相次ぎ評価試験設備を新設

東光は本社敷地内に新棟を設置

 電子部品メーカー各社が製品を評価する専用施設を新設し、2016年度に相次いで稼働する。電子化が進む自動車向け部品の新規取引や採用拡大で、製品評価をより適切かつ効率的に進める必要が出てきているためだ。車を巡る競合との競争が激化する中で、製品評価体制の強化が部品の信頼性を高めて差別化を図る武器の一つになる。  東光は埼玉県鶴ヶ島市の本社敷地内に部品の品質評価を専門に行う新棟を設置し、5月に稼働する。国内に新棟を設置するのは17年ぶり。  車向けのキーレスエントリーシステムや電子制御ユニット(ECU)に搭載する高耐熱コイルの需要が増えていることが投資を後押し。今後も需要を着実に取り込むために、部品の製品評価や品質管理体制を強化する必要があると判断し、老朽化していた評価施設を取り壊して一新する。  日本航空電子工業も部品の性能や品質を評価する総合評価試験棟を、昭島事業所(東京都昭島市)内に新設し今春稼働する。車の走行環境を再現して製品を評価できる環境試験機といった複数の設備を新棟で一元管理し、作業をより円滑に進められるようにする。同じ事業所内にある研究開発部門との連携も強め、試験データなどを迅速に反映させることも目指す。  各社が専用施設を新設し相次いで稼働するのは、車載向け部品事業を拡大する上で製品評価体制の重要度が増しているからだ。車は安全性が特に重視されるため、スマートフォンなどの民生機器とは異なる、より高い品質レベルが要求される。  また先進運転支援システム(ADAS)や自動運転といった、新しい機能を持つ次世代車の普及が現実味を帯びる中、車メーカーが消費者のニーズに的確に応えるために車の開発期間を短縮する必要に迫られている。  これに伴って、次世代車に役立つ高機能部品を提案する部品メーカーが、製品評価をより効率的に行う体制作りが求められている点も見逃せない。日本航空電子の小野原勉社長は「(取引先の)多様なニーズに的確に応えていくために必要だ」と新棟建設の意義を強調する。  部品そのものの特性や生産体制と並び、より製品評価体制を盤石にすることが部品事業を拡大するための前提条件となっている。関連投資は今後、より一層活発化しそうだ。 (文=下氏香菜子)

続きを読む

特集