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素材の手触り感を振動や温度で再現!アップルが特許を申請

Apple WatchやMacBookに採用された「フォースタッチ」はさらに進化へ?
素材の手触り感を振動や温度で再現!アップルが特許を申請

新型MacBookでの感圧タッチトラックパッドの調整画面

 フォースとともにあらんことをー 。24日に発売されたApple Watchや、新型MacBookに搭載された感圧タッチ技術の「フォースタッチ」。とくにMacBookのトラックパッドには力覚フィードバックが組み込まれているが、近い将来、タッチスクリーンの画面に表示された素材の触感を、まるで実物のように指先で感じることができるアップル製品が登場するかもしれない。米アップルが2013年に特許申請した内容が23日、米国特許商標庁(USTPO)によって公開された。

 申請によれば、たとえばザラザラしている木の表面やツルツルしている金属の表面の特徴を、振動モーターの振動の大きさや間隔を調整することで表現し、まるで本物をさわっているかのように模擬的に指に伝えられるという。静電容量センサー、位置センサー、感圧センサーなどを組み合わせ、指の位置、画面にかかる指の圧力に応じて触感(振動)を微妙に変化させる。

 これに加え、ペルティエ素子を使った特許も申請した。ペルティエ素子は2種類の金属の接合部を持つ半導体素子。直流電流を流すと一方の金属の温度が下がり、もう一方が発熱する特性を持ち、電流で温度制御が行える。これを電子機器のユーザーインターフェースに応用することで、木ならちょっと暖かめ、金属なら冷たくといった素材に特徴的な温度までも再現するという発想だ。ただ、アップルにはよくあることだが、これらの特許申請の内容が実際の製品に採用されるかどうかは定かではない。

 一方、この4月に発売されたApple Watchと13インチの新型MacBookに組み込まれたフォースタッチは、画面やトラックパッドに軽く触れるタップと、力を入れて押すプレスの違いを判別して操作の選択肢を変えられる機能。とりわけMacBookのトラックパッドは、表面を指で押し込むことで機械的にクリック感を与えるこれまでの機構の代わりに、振動モーターでクリック感を得られるようにした。こうしたApple Watchと新型MacBookのフォースタッチの機能は、今年発表される次期iPhoneにも導入されると見られている。
藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
振動モーターを頻繁に使うと電池が減るし、ペルティエ素子を使うと発生する熱の問題もあるので、モバイル端末への導入は現実的ではないような気もする。ともあれ面白い発想ではあります。

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