大型トラックを全面改良。いすゞが正面から取り組んだ運転手不足への対応とは

疲労の軽減を最優先に設計。顧客の反応良く受注伸びる

新大型トラック「ギガ」の内装

 いすゞ自動車は2015年10月、21年ぶりに大型トラック「ギガ」を全面改良して販売した。それを機に新型車を顧客に貸し出すなど、性能を評価してもらうためのイベントを積極的に展開。「顧客の反応はすこぶる良く受注が好調に伸びている」(川原誠取締役専務執行役員)。運転手の担い手不足が深刻化する中、操作性向上による疲労軽減など顧客の課題に向き合うモノづくりが高評価の背景にありそうだ。  大型トラックは荷台部分の架装関連装置を含め多様な機能を盛り込む。各装置を動かすスイッチは標準的な車型で30種類弱にのぼる。スイッチを運転席の周りに的確に配置することが、操作性を左右する。  速度メーターやスイッチを配置する計器盤「インストルメントパネル」は、運転手と正対する部分を従来通り平行に配置。オーディオなどを設置する左側部分は運転手寄りに20度の角度をつけて近づけ、コックピットのようにスイッチの見やすさや操作性を高めた。  各スイッチの配置は安全性にも配慮。運転手に近いメーター周りに走行中の操作頻度が高いスイッチ、その周辺に操作頻度は低いが運転中に使うスイッチを配置した。大型商品企画・設計部の赤木三昌グループリーダーは「運転疲労の軽減を最優先に設計した」とその狙いを明かす。  トラックが故障する予兆を検知して修理を促すサービスにも乗り出した。商用車用テレマティクス「みまもりくん」を標準搭載。通信とインターネットを融合して、稼働状態を遠隔で解析する仕組みを活用し、基幹装置を中心に30部品を監視する。  例えば、変速機ではあらかじめ把握する寿命予測から、使用頻度に応じて故障の予兆を検知する。その情報をネット経由で販売会社や顧客に通知。販社では情報を基に顧客に状況を説明して点検や修理を促す。  従来は定期点検や故障してから対応する受け身の体制だった。今は、予兆を検知して故障を未然に防ぐ提案型のサービスで、トラックの予防整備に新たな風を吹き込んでいる。 (文=西沢亮) <関連記事>

続きを読む

特集