買い取り価格低下への対抗策に?メガソーラー向け小型パワコンじわり浸透

パネルメーカーが、ドイツSAMや中国ファーウェイなどの海外製を提案

普及してきた小型パワコン

 大型のパワーコンディショナー(電力調整装置)に代わり、小型パワコンを何十台も設置する大規模太陽光発電所(メガソーラー)が増えている。オリックスが兵庫県に建設する出力1万6000キロワットのメガソーラーには、独SMA製の小型パワコン640台が採用された。取り付け作業に手間がかかるため敬遠されてきたが、買い取り価格の低下で小型パワコンが選ばれるようになってきた。  パワコンは太陽光パネルが発電した直流電力を電力系統と同じ交流に変換する装置。大型パワコンは1台で大量のパネルの電力を扱える。1000キロワットのメガソーラーであれば大型は1―2台で済む。小型パワコンは40台以上が必要となり、設置に手間がかかる。  SMAはメガソーラー向けに大型と小型のパワコンを販売している。日本メーカーは小型を住宅、大型を産業用にすみ分けており、日本のメガソーラーの標準は大型だ。それが11年に日本市場へ参入後、小型の出荷が2万台を超えた。  メガソーラーを何カ所も保有する発電事業者が繰り返し採用することがあり「これほど普及が早いと思わなかった」とSMAの杉山竜太郎セールスダイレクターは驚きを隠せない。  浸透してきた理由の一つが「故障で売電が止まる時間を短くできる」(杉山氏)こと。大型パワコンは1台が故障すると大量のパネルからの電力供給がストップする。小型パワコンは扱うパネルが少ないので、1台が故障しても売電量の減少は軽微。しかも交換すれば復旧するので売電を早く再開できる。  京セラも太陽光パネルの購入者にSMAや中国ファーウェイの小型パワコンの提案を始めた。「大型か小型かは発電事業者の選択次第だが、場所によって決めることが多い」(京セラ)という。大型は設置場所を整備する必要があるが、小型はパネル裏面に下げることができるので場所をとらない。  メガソーラーの建設適地は減り、斜面など制約のある土地への建設が増えている。狭い土地ほどパワコンの場所を省いてパネルの枚数を増やそうと考える発電事業者も多い。4年連続での買い取り価格の低下もあり、売電量確保のために小型パワコンの採用が増えると杉山氏は予測する。  今後は大型が標準でなくなるのか。いずれにしろ発電効率やコスト以外に、サイズもパワコン選びの基準に加わることは発電事業者の選択肢が増えるメリットがある。

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