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もっとも票を集めたのはレインボーで得票率38%。FDA、10号機のカラーは?

 フジドリームエアラインズ(FDA/JH)の10号機となるエンブラエル175型機が3月9日午後、雨模様の県営名古屋空港(小牧)に到着した。同社の機体は1機ごとに色が異なるのが特徴で、10号機はFDAが事前に示していた候補5色のうち、シルバーが採用された。

 FDAは機体色の正解を選んだ人の中から、全路線を対象とした往復航空券や、300分の1スケールのプラモデル10色セット、10号機のドローイングポスターを抽選でプレゼントするキャンペーンを実施。シルバーとブロンズ、エメラルド、ブルー、レインボーの5色が候補だった。

 投票総数は3861件。もっとも票を集めたのはレインボーで得票率38%、10号機のシルバーは次点で35%だった。以下、ブルーが13%、エメラルドグリーンが9%、ブロンズが5%と続いた。

 FDAによると、昨年3月に受領した9号機がゴールドだったことから、シルバーを選んだという。一方、レインボーは「予想以上に人気だった」と話していた。

 10号機は9号機と同一仕様。燃費を5.5%改善する「フューエル・バーン・インプルーブメント(パッケージ2)」が施された。主翼端のウイングレットが大型化した「ウイングチップ」となり、全幅が従来より2.65メートル広がり、28.65メートルになった。

 翼端の赤(左側)と緑(右側)の「ナビゲーションライト」は、LEDを採用して小型化。胴体底部にある吸気口などの形状も変更し、空力特性を改善している。また、パッケージ2には、主脚に格納時用カバーを追加することで燃費を改善した「パッケージ1」の改良も含まれている。

 エンジンは従来のE175と同じGE製CF34-8Eを搭載し、最大離陸重量は37.5トン、航続距離は約2950キロ。座席数も既存機と同じ84席で、シートピッチは31インチ(79センチ)となっている。

 また、GPS情報を基に位置情報や高度、速度などを送信する装置「ADS-B OUT」や、大気中の電磁気や静電気などを機体上部のアンテナで検知し、天気レーダー上に雷の状況を示す「ライトニングセンサー」を備える。

 FDAでは定期便のほか、チャーター便にも10号機の投入を検討している。

初便は花巻行き


 10号機は現地時間3月5日、ブラジルのサン・ホセ・ドス・カンポスを出発。6日にブラジルのナタールとカーボベルデのサル島、7日にスペインのアルメリア、キプロス共和国のラルナカ、8日にアラブ首長国連邦のドバイ、インドのコルカタ、9日にベトナムのホーチミン、台湾の高雄を経由し、県営名古屋空港には9日午後3時52分に到着した。総飛行距離は約2万1700キロ、総飛行時間は約32時間40分となった。

 ブラジルから名古屋までのフェリーフライト(回送)は、エンブラエルの機長2人が担当。FDAの領収検査員の整備士4人と、コーディネーター1人を乗せた10号機が到着すると、客室乗務員から機長らに花束がプレゼントされた。

 運航開始は11日で、名古屋(小牧)を午後2時45分に出発する花巻行きJH355便が初便。その後JH356便で名古屋へ戻り、名古屋-北九州線へ投入。

 静岡発着便は、18日の福岡発静岡行きJH148便を、松本発着便は同じく18日の福岡発松本行きJH202便を、それぞれ初便に計画している。

 FDAは9号機と10号機のほか、E170型機(76席)を3機、E175を5機保有し、機体ごとに異なる塗装を施している。1号機はドリームレッド、2号機はライトブルー、3号機はピンク、4号機はグリーン、5号機はオレンジ、6号機はパープル、7号機はイエロー、8号機はティーグリーン。7号機と8号機は、燃費改善策のパッケージ1が施されている。

 同社は2014年7月にE175を3機発注しており、今回到着した10号機はこの中の2機目。6月には11号機を受領する見通し。

 
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
FDAの10号機が県営名古屋空港に到着。機体のカラーはシルバーでした。雨が降っていたこともあり、やや空に溶け込んだ感じで飛んできました。

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