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東レのバレーボールTシャツ、予想外の人気

植物由来素材や吸汗速乾素材の魅力訴求に一役
東レのバレーボールTシャツ、予想外の人気

「東レアローズ」Tシャツ

 東レのバレーボールチーム「東レアローズ」Tシャツの売れ行きが好調だ。部分植物由来のポリエステル繊維やスポーツウエアに用いる機能性素材を採り入れ、2015―16シーズン向けに販売したところ、インターネットでは完売した。再入荷のめどはたっていない。

 バレーボールの試合会場でも品薄状態で、同社では「ファングッズで完売になるアイテムは珍しい」と、うれしい悲鳴をあげている。

 Tシャツに使用した部分植物由来ポリエステル繊維「エコディアPET」は、サトウキビなどの植物原料から生成しており、二酸化炭素の排出量削減に貢献する。スポーツ素材「フィールドセンサー」も用いており、吸水性・速乾性にも優れている。

 デザインは表面2柄に裏面3柄の組み合わせで、合計6パターンを用意した。消費税込みの価格は3200円。Tシャツの人気にあやかり、素材の魅力もアピールしたいところだ。

作業服にも採用「部分植物由来ポリエステル繊維」とは


2014年3月27日


 東レとミドリ安全は2014年3月26日、環境に配慮した製品の調達を求めるグリーン購入法に適合した作業服を展開すると発表した。東レの部分植物由来ポリエステル繊維「エコディアPET」を用いた作業服をミドリ安全がグローバルに販売する。「プランテックス」シリーズとして展開し、2014年秋冬シーズンから販売を始める。14年度に3億円、17年度に30億円の売り上げを目指す。

 エコディアPETは、植物由来エチレングリコールを重合・溶融紡糸による植物度約30%のポリエステル繊維。グリーン購入法基本方針の環境物品基準で、植物由来の非生分解性プラスチック製品基準である「BIO―PET基準」に適合した。作業服(上下セット)は7000―8000円程度を想定しており、従来品とほぼ同等を見込んでいる。

日刊工業新聞2016年3月7日
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
「部分植物由来」という言葉を見たとき、「部分植物」という植物のジャンルがあるのか、と一瞬思いました。東レのウェブサイトなどで調べると、植物由来の成分が一部混じっているという意味で「部分植物由来」という言葉を使っている模様。サトウキビから砂糖を精製する過程で発生する副産物(廃糖蜜)などを主原料に、ポリエステルの原料となる「エチレングリコール」を作っているとのことです。なお「エコディアPET」は2016年シーズン(15年9月―16年8月商戦)から遊泳水着の素材としても販売が始まっています。

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