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琉球大、工学部に6年一貫の「グローバルエンジニアプログラム」導入へ

2017年度改組に向けて文科省に申請予定
 琉球大学は2017年度の実施を目指す工学部の改組計画をまとめた。沖縄県の新産業創出やアジア展開の産業戦略に呼応し、「エネルギー環境工学コース」などを新設。地域振興に貢献する人材の育成を目指す。夜間主コース(定員30人)を廃止するものの、学部定員350人は維持する見込み。4月に文部科学省へ計画を提出する。認可を受けた上で、16年度中に学生募集を始める考え。

 計画では、現在の4学科5コースを工学科の1学科7コースにする。県内の新産業に対応する「エネルギー環境工学コース」「電気システム工学コース」を設ける。また博士前期課程を含む6年一貫の「グローバルエンジニア(GE)プログラム」を新設する。

 改組を機に、地域社会・産業への貢献度を一層高めていく考え。県内で振興が期待される航空機整備や国際物流、再生可能エネルギーなどの分野を人材面で支える。

 GEプログラムは最大35人を2年次終了時に選抜する。3年次から大学院科目の先行履修や「技術英語」「国際インターンシップ」などの専用科目の体系的な受講が可能。短期・長期留学をカリキュラムに盛り込み、国際貢献できるエンジニアを養成する。

 既存の学科・コースは「機械工学」「社会基盤デザイン」「電子情報通信」「建築学」「知能情報」の各コースとする。選択必修の「工学融合科目」を3年次に置き、幅広い専門分野の学習によって視野の広い技術者を育成していく。コース転換によるキャリア変更にも柔軟に対応する。
日刊工業新聞2016年2月18日 科学技術・大学面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
工学部の改組には、地元の各種業界団体から要請も出ています。それもあってか、かなり地元密着を意識した改組計画となりました。 “グローバル”と“地元密着”は矛盾するように聞こえますが、「これから海外展開を積極化する沖縄産業界で活躍できるグローバル人材を育成して県内企業に就職してもらう」という狙いです。大学側としては、県内高校生→琉球大(留学、インターン)→県内就職、という絵を描いているようです。 優秀な学生ほど、県内就職と組み合わせた給付型奨学金などとセットにしないと、県外に流出してしまいそうですが。

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