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北海道、「ものづくり『なでしこ』応援プロジェクト」

女子の製造業就職を支援−バスツアーなど継続、中小ともマッチング
北海道、「ものづくり『なでしこ』応援プロジェクト」

2014年度に実施したバスツアー(北海道庁提供)

 北海道は女性のモノづくり現場での活躍を支援する「ものづくり『なでしこ』応援プロジェクト」の施策を推進する。振興局や市町村とも連携し、女子学生らがモノづくり企業の現場を巡るバスツアーなどの実施回数も増やす考え。各地域の優れたモノづくり企業の存在をPRし、働く場所としての魅力を理解してもらうことでの就業促進を目指す。

 北海道庁では同プロジェクトを2014年度に開始。バスツアーのほか、高校などでの出前授業やモノづくりの現場で活躍する女性を紹介する冊子などを作成することにより、女性のモノづくり就業を支援してきた。バスツアーは道庁経済部が主体となり、千歳市などモノづくり企業が集まる道央地域を中心に計5回開催した。高校生のみならず保護者、ハローワークの担当者らが参加し、高評価が得られている。

 一方、課題としては道央地域以外でも工業高校や高専などモノづくり人材を育成しているが、地元以外や道外へ就職する卒業生が多い現状がある。道内大手のモノづくり企業だけでなく、地場の中小企業にも学生らと触れる機会をつくることも重要だと判断した。

 15年度は地域との関係が深い、全道に14ある振興局が主体となるバスツアー開催を増やすことで、学生らと中小モノづくり企業とのマッチングを図る。市町村にも働きかけ、同プロジェクトのさらなる拡大も狙う。具体的な内容や日程は、学生の年代に応じて進路決定などの時期を検討した上で今後詰める。
 竹内秀幸経済部産業振興局長は「モノづくりは波及効果も大きい。企業誘致や人材育成などと合わせて総合的に取り組んでいく」と話している。
日刊工業新聞2015年04月21日 列島ネット面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
モノづくり人材の確保は、どの地域も頭を悩ませている課題の一つ。バスツアーはまず存在を知ってもらう良い機会ですが、実際の就職につなげるには「女子」に評価されるアピールポイントや強みを持つことも必要です。

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