人工知能が囲碁のプロ棋士に初勝利、グーグル・ディープマインドのプログラム
医療診断などへのアルゴリズム応用も想定
ついに囲碁のプロ棋士に勝てる人工知能(AI)のコンピュータープログラムが開発された。米グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)の研究グループが開発した「AlphaGo(アルファ・ゴ)」というプログラムで、欧州チャンピオンである中国出身のファン・フイ(樊麾、Fan Hui)との5回の対局に全勝した。フルサイズの19路盤を使い、両方のプレーヤーが同程度の有利さで対局する互先(たがいせん)で打って、囲碁プログラムがプロ棋士に勝ったのは初めてという。
チェスに続いて最近では将棋でも、プログラムがトップクラスのプロプレーヤーに勝利する例が出ている。だが、碁盤上に黒と白の碁石を交互に置き、最終的に相手より広い領域を確保することを競う囲碁は、探索空間が膨大で、盤面上の位置と指し手の評価が難しい。これまでに開発された最強の囲碁プログラムでも、アマチュア棋士並みの棋力しかなく、互先で打ってプロの棋士を破ったことはなかった。
そのため、囲碁はAIにとって未制覇の大きな課題(グランド・チャレンジ)とされ、プログラムが人間のプロ棋士を打ち負かすのは10年先の話と言われていたほどだという。
一方、研究論文が1月28日号のNature誌に掲載されたAlphaGoでは、人間の脳の情報処理のパターンをコンピューターモデルとし、それに深い階層を持たせたディープニューラルネットワークを採用。盤面上の位置を評価するための「バリュー(価値)ネットワーク」と、指し手を選択するための「ポリシー(方策)ネットワーク」を使ったプログラムを開発した。
これらディープニューラルネットワークは、専門家の指し手による学習と、コンピューター同士の自己対局を併用した強化訓練を実施。その結果、AlphaGoはほかの囲碁プログラムに対する勝率が99.8%にのぼった。今回の成果により、AIでの実現が困難と思われているほかの分野でも、人間並みのパフォーマンスを達成できる可能性が出てきたという。同社のデミス・ハサビス(Demis Hassabis)CEOによれば、AlphaGoのアルゴリズムをもとに多くのアプリケーションが考えられ、例えば「医療分野での診断に使えるのではないか」としている。
AlphaGoはこのあと3月にソウルで、過去10年間にわたり世界最強の棋士として知られる韓国のイ・セドル(李 世乭、Lee Sedol)との5番勝負を予定している。
The computer that mastered Go(出典: Nature Video)
チェスに続いて最近では将棋でも、プログラムがトップクラスのプロプレーヤーに勝利する例が出ている。だが、碁盤上に黒と白の碁石を交互に置き、最終的に相手より広い領域を確保することを競う囲碁は、探索空間が膨大で、盤面上の位置と指し手の評価が難しい。これまでに開発された最強の囲碁プログラムでも、アマチュア棋士並みの棋力しかなく、互先で打ってプロの棋士を破ったことはなかった。
そのため、囲碁はAIにとって未制覇の大きな課題(グランド・チャレンジ)とされ、プログラムが人間のプロ棋士を打ち負かすのは10年先の話と言われていたほどだという。
一方、研究論文が1月28日号のNature誌に掲載されたAlphaGoでは、人間の脳の情報処理のパターンをコンピューターモデルとし、それに深い階層を持たせたディープニューラルネットワークを採用。盤面上の位置を評価するための「バリュー(価値)ネットワーク」と、指し手を選択するための「ポリシー(方策)ネットワーク」を使ったプログラムを開発した。
これらディープニューラルネットワークは、専門家の指し手による学習と、コンピューター同士の自己対局を併用した強化訓練を実施。その結果、AlphaGoはほかの囲碁プログラムに対する勝率が99.8%にのぼった。今回の成果により、AIでの実現が困難と思われているほかの分野でも、人間並みのパフォーマンスを達成できる可能性が出てきたという。同社のデミス・ハサビス(Demis Hassabis)CEOによれば、AlphaGoのアルゴリズムをもとに多くのアプリケーションが考えられ、例えば「医療分野での診断に使えるのではないか」としている。
AlphaGoはこのあと3月にソウルで、過去10年間にわたり世界最強の棋士として知られる韓国のイ・セドル(李 世乭、Lee Sedol)との5番勝負を予定している。
The computer that mastered Go(出典: Nature Video)
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