電子機器メーカーが開発したワインセラー、愛好家をうならせる

ジーマックスが新規参入

ジーマックスのワインセラーは飲食店からの引き合いが増えている

 最近のワイン需要の増加を受け、ワインを保管するワインセラーの人気もじわじわと高まりつつある。そんな中で”本業“は電子機器用などの素子を手がけるジーマックス(東京都港区)の「新規参入」が、ワイン業界で注目されている。本物志向のワイン通をうならせられるか―。  ジーマックスの本社は東京だが、京都市伏見区に技術開発拠点がある。2010年、高井社長が省力機器などを手がけるフジタカ(京都市下京区)から独立した。小型冷蔵庫や冷却チラー向けなどに可変的な冷却ができるペルチェ素子の製造が主力で、中国など海外展開も積極的だ。  高井社長は「フジタカ時代、厨房(ちゅうぼう)機器関連に強いと言うことで、フランス製ワインセラーの代理店であるベルギー人の方が営業に来た」と振り返る。フジタカの営業企画部で新商品を担当していた高井社長は打ち合わせに出席。電子機器事業部の部長も兼任していたため「ワインセラーは電子機器に関連性がある」と感じ、フジタカでワインセラーを取り扱うようになった。  独立後、フジタカからワインセラーの事業を引き継いだ。ニーズは少なくても、ワインでペルチェ素子の会社のイメージアップにつながるとの判断があったからだ。「ペルチェ素子の用途としても今後、広がる幅がある。競合は多いが未開拓の市場と感じた」と高井社長は力を込める。  ワインセラー事業の開始に際し、使い勝手や品質で世界各国から支持を集めるフランス人プロデューサーが手がけるセラーブランド「ヴァンテック」と契約。流行けん引のデザインを作り出すワインセラーの総代理店として、同ブランドを日本国内で独占的に販売している。ヴァンテックは中国で委託生産し、高品質なセラー供給のために工場側とのコミュニケーションを密にする。現在、セラーはフランスの工場から代理店経由で購入して販売する「アルテビノ」との2ブランド体制を敷く。  一方、ワインセラー事業の販路拡大で苦労したことについて、高井社長は「最初に取り扱いを始めたのが大型セラーで、市場が小さかったこと」をあげる。ヴァンテックは15年10月、省スペース対応でありながら国内最大級の容量となる、166本入りの新製品を投入した。 ジーマックスの拠点がある京都は清酒の一大消費地だ。高井社長は、受け売り、と前置きしながらも「日本酒に比べ、日本ではまだまだワイン人口が少ないが、ワインは奥の深い飲み物。知識や背景を勉強するとその魅力にとりつかれる」(同社長)と期待。酒販業界全体を巻き込んでの試飲会などイベント開催やホームページ(HP)の充実で販路拡大を模索する。 (文=京都・林武志)

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