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障害物を回避する自律飛行ドローン向けのチップセット基板、クアルコムが開発

CES 2016で発表、先行映像をユーチューブに公開
障害物を回避する自律飛行ドローン向けのチップセット基板、クアルコムが開発

スナップドラゴン・フライトを搭載したドローン(YouTube映像から)

 障害物を自動的に回避しながらの自律飛行を可能にする次世代ドローン向けのプラットフォーム基板を米クアルコムが開発し、6日にラスベガスで開幕するCES 2016で詳細を発表する。「スナップドラゴン・フライト(Snapdragon Flight)」と名付けたもので、CESに先立ってその動画をユーチューブに公開した。

 この分野では、すでにインテルが3Dカメラ認識技術を組み込んだ「リアルセンス」を発表し、ドローンはじめ、ロボットやゲームなど向けに展開中。クアルコムはロボット向けにも基板を売り込んでいく考えで、急成長が期待されるドローンやロボット市場でも、半導体の両雄が激突することになるのかどうか。

 The Vergeの報道によれば、スナップドラゴン・フライトの概要を発表した2015年10月の段階でクアルコム幹部は、同プラットフォームを採用すれば、4K動画対応ドローンの価格を現在平均の1200ドルから、300ドル~400ドルに引き下げ、バッテリーの持続時間も現在の20分から45分~60分に延ばすことができると語っている。

 スナップドラゴン・フライトのチップセットは「スナップドラゴン801」をベースにしており、2.26GHzのクアッドコアプロセッサーと、グラフィックスプロセッサー(GPU)の「アドレノ(Adreno)330」を内蔵。高精細の4Kビデオを扱えるほか、移動物体を検出するオプティカルフローカメラ、障害物の立体マッピング、飛行計画の自動立案、急速充電規格であるQuick Chargeに対応といった特徴を持つ。ハイテクニュースサイトのEngadgetによれば、2016年始めに、スナップドラゴン・フライトを搭載したドローンが中国のユニーク(Yuneec)から登場する予定だという。

ニュースイッチオリジナル
藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
パソコンでもスマートフォンでも、プラットフォームを握った者が世界を制する。成長著しいドローンでも同じかもしれない。記事の最後に出てきた中国Yuneecにはインテルが出資しているとの報道もあるが、もしそうだとすれば、インテル大丈夫か?

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