ファシリテーターが選ぶ「2015年この3本」#6 日の丸デバイス大活躍

 やれシャープだ、やれ東芝だと、エレクトロニクス産業の苦境ばかりが話題となる中、日の丸デバイスは今年も大活躍。スマートフォン向けを中心に、相変わらず電子部品メーカーばかりが孤軍奮闘しております。しかしそんな業界にも波風がないかと言えばそんなことはなく、むしろ業界構造が大きく変わり、優勝劣敗がさらに進みそうな雲行きです。私は今秋からの参加ですので蓄積がありませんが、そんな世の中の変化が垣間見えそうな記事を3本選んでみました。 ●村田製作所は一日にして成らず(8)もう部品屋と言わせない  2年近く前の連載記事を再掲載したもので、部品メーカーが最終商品まで企画しているというテーマ。この傾向は強まりこそすれ、弱まることはないようです。例えば、かつて国内の家電向けの個別対応に徹底した応えたカスタムLSIで成長したロームも、今では自らの開発技術をセットメーカーをすっ飛ばして最終市場に投げかけなければならない時代。日本の電機大手が消費者への影響力を失いつつあることを示すもとの言えそうです。さらにスポーツ用品メーカーが心拍計搭載のウォッチを発売したり、メディカル業界が体調を記録し発信するウェアラブル端末を商品化するなど、かつての業界の垣根はもはやなくなってしまったことも無視できません。なるほど部品メーカーにとってかつてないチャンスに他なりませんが、どれだけのメーカーがそれに応えることができるのでしょうか? ●あらゆる企業が”電機メーカー化” 電子部品の存在感さらに高まる  今年のCEATECで目立っていたのは部品メーカーばかり。ひょっとして将来に実現するかも、なんて思わせてくれる気の利いた展示は部品メーカーのブースにばかり。これを部品メーカーの台頭と喜んでいいのかどうか、複雑な気持ちになりました。SONYブランドにあこがれた世代としては、あの輝きをもう一度と思わずにはいられません。  ●売上高2兆円へ攻める日本電産  今年も絶好調だった日本電産の中間決算の記事です。もはや誰もハードディスクドライブ用モーターのメーカーとは思わなくなってしまったのがすごいところ。M&Aばかりが取りざたされますが、パソコン市場がこれから立ち上がろうとする20年前から、将来を見越して車載用モーターの開発を続けてきたように、実は技術開発型の企業でもあります。売上高1兆円を超え、2020年度に2兆円、2030年度に10兆円という目標を掲げていますが、何度も聞いているうちに、もはや「大ボラ」には聞こえなくなってしまいました。  将来は部品だけでなくB2Cへの参入も視野に入れていますが、21世紀型の総合電機メーカーがどのような姿になるのか興味津々です。あらゆる製品が「業界3位以下は生き残れない」と永守重信会長兼社長は指摘しますが、2016年も業界を大きく引っかき回してくれると期待しています。

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