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噴石から山小屋守る繊維!東レ、補強材発売

14年9月に発生した御嶽山の噴火踏まえ開発
 東レは火山噴火時に飛来する噴石から山小屋への被害を防ぐ補強材「屋根補強用ケブラー製織物=写真」を開発、発売した。軽量で高い強度のパラ系アラミド繊維「ケブラー」を使用し、屋根材に挟み込むことで噴石による衝撃を和らげる。実証実験で補強材として一定の効果を確認ずみ。自治体や企業に提案し、2016年度に3万メートル、17年度に5万メートルの販売を見込んでいる。

 この織物は軽いため山小屋への搬入がしやすい。屋根のふき替えや防水シートの張替など補強工事も、タッカー(建築用ホチキス)で容易に施工できる。また熱分解点が400度C以上と耐熱性に優れ、屋根面の高温化による変質が小さい。

 14年9月に発生した御嶽山の噴火では、火口周辺に降り注いだ噴石に対し、山小屋などに退避する行動が有効だった。この点を踏まえ、東レは内閣府、防衛大学校、山梨県富士山科学研究所と既存山小屋の補強方法を検討し、製品化に至った。
日刊工業新聞2015年12月24日 素材・ヘルスケア・環境面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
火山活動が全国で活発化していますが、依然山登りは人気のレジャー。手軽に補強ができるとのことで、ぜひたくさんの山小屋に導入していただきたいと思います。

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