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日本のゴルフバッグメーカー、米市場に打って出る

大阪のコバヤシ産業、ベトナムに米向け専用工場設立
 コバヤシ産業(大阪市天王寺区、小林敏明社長、06・6773・3364)は、ゴルフバッグのOEM(相手先ブランド)供給で米国市場に本格参入する。ベトナム工場(ホーチミン市)で生産するゴルフバッグを日系を含む米国のゴルフメーカーなどに直接納品する。米国市場向けのゴルフバッグの2016年受注額は10億円、3年後は20億円を目指す。

 コバヤシ産業は米国市場参入を目的に4月、全額出資子会社「東柱」をベトナムに設立した。米国向け専用工場を建設し、7月に稼働した。工場の敷地面積は4万平方メートル、延べ床面積は2万平方メートル。初年度はゴルフバッグを月産3000―5000本、16年は同8000―1万本とする。

 工場内にはR&D部門を設け、日本で培ったデザインや企画力などを生かし、カートやセルフタイプなど米国仕様の企画から出荷まで一貫した体制を整え差別化する。資金は商工中金船場支店の「グローバルニッチトップ支援貸付制度」の融資1億円を充てる。

 同社は日本国内で販売するゴルフバッグのOEM生産で約30%のシェアを持ち、年間約30万本を生産する。国内向けは07年からベトナム・ホーチミンのグループ会社が担当。日本市場が飽和状態の中、米国をターゲットにし、商社を介さず米国専用工場から直接米国のメーカーへ納品し競争力を高める。

 日米のゴルフバッグは大半がOEM製品で米国メーカーは中国の工場での委託生産が多い。同社はベトナムでの企画立案、コスト、デザイン、品質面で勝負する。
日刊工業新聞2015年12月24日 モノづくり基盤・成長企業面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
日米のゴルフバッグの大半がOEM製品というのは、意外でした。

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