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職人技をロボット化、バリ取り15分を35秒に短縮―ジェイテクト

生産効率、安全性が向上
職人技をロボット化、バリ取り15分を35秒に短縮―ジェイテクト

刈谷工場に導入したバリ取りロボット

 【名古屋】ジェイテクトは工作機械の部品加工工程で、手作業で行っていたバリ取りのロボット化を始めた。バリ取りの職人技をロボットに代行させて、生産効率の向上を図る。現在、工作機械を生産する刈谷工場(愛知県刈谷市)でロボット1台を使って作業を進めており、今後はロボットを増やして、バリ取りの自動化を本格化する方針だ。

 主軸など工作機械のコア部品に対し、組み立てる前にそのバリを取り除く工程でロボットを採用した。機械加工でのバリ取りでは二次バリが発生するため、これまでは微妙な手加減を加えられる職人技が必要だった。

 今回、ロボットで職人技の一部再現に成功。ロボットがバリを取る工具を対象物に当てる時の逃げ具合を調整し、職人同様に力をかけすぎないようにしてバリを削り、二次バリの発生を抑えられるようにした。

 これにより、穴の口元に出るバリの除去作業をロボットに置き換え、職人が15分かけていた作業時間を35秒に短縮した。生産効率を高められるだけでなく、刃物を手で扱う危険作業が減ることで安全性の向上にもつながるという。この実績をもとにジェイテクトは2016年5月までにロボットを3台に増加し、対象部品も広げてバリ取りロボットの活用を推進する考えだ。
日刊工業新聞2015年12月18日 ロボット面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
生産効率化だけでなく、職人技がデジタル化されたことで技能伝承も進みそうです。バリ取り以外の作業への横展開も期待されます。

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