インターネットチャネルに商機―大手証券各社の新たな潮流

新規顧客の獲得手段に

野村證券のネット&コールデモ

 大手証券各社が、インターネット取引の向上を通じた顧客層拡大に力を入れている。野村証券はインターネットチャンネル向けに専用投資信託を発売。大和証券グループは、ネット専業証券のGMOクリックホールディングスと業務提携に向けた検討を始めた。従来、対面証券にとってネットは「対面の補完」という位置づけにすぎなかった。郵政上場などで投資家の裾野が広がるなか、各社はネット取引機能に再び力を注いでいる。  野村証券は、11月末に「野村未来トレンド発見ファンド」を、完全インターネットチャンネルである「ネット&コール」用に投入した。同ファンドは、『フィンテック』や『エネルギー革命』など経済成長テーマに沿い、世界の企業に投資するファンド。時代の流れに合わせテーマも変えるのが特徴だ。「ネットのメーンユーザーである若い世代にもテーマ性のある投信ニーズがあると考え投入した」と、都留朗智ネット&コール部次長は語る。投資家の反応も上々のようだ。 大和証券グループ本社は、大和証券、GMOクリックホールディングス、GMOクリック証券の4社間で業務提携に向けた検討を始めた。具体的な提携内容は検討中だが、GMOが高いシステム開発力を有し、ネット専業証券内で急激にシェアを伸ばしていることから「大和証券のネットチャンネルも高度化するのでは」と見る業界人もいる。  SMBC日興証券は、今春にネット取引手数料をネット専業証券並に引き下げたほか、ホームページを4年ぶりにリニューアルした。そのほかSMBCフレンド証券がネット取引機能の強化を検討、東洋証券がネット取引での中国A株の取り扱いを計画するなど、対面証券でネットチャンネルの機能を強化する動きが広がっている。  ネット取引の手数料は対面取引の手数料に比べ安いため、ネット取引が増えることの単純な経営インパクトは正直小さい。ただ「ネットチャンネルで投資に触れ、アドバイスや商品を求めて対面のお客さんになるというケースは多い」(同)。郵政上場や株高で個人投資家の裾野が広がるなか、新規顧客の獲得手段としてネットチャンネルの重要性は一層高まっている。 (文=鳥羽田継之)

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