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ダイソン、世界初の旗艦店を表参道に17日オープン!ロボット掃除機も投入へ

国内勢も対抗。「ルーロ」で参入のパナソニック「市場は買い替え需要が見込めるまで成長した」
 ダイソンが世界初の旗艦店「Dyson表参道」(東京都港区)を4月17日(金)にオープンさせる。これまでダイソンの直営店はなく、その第1号が日本になる。創業者のジェームズ・ダイソン氏は「日本は世界で最も技術をリスペクトする人々や環境が存在する国。ダイソンストアの構想を始めた時から、日本こそが最初の場所になるべきだと思っていた。このダイソンストアはただ眺めるだけの店ではなく、テクノロジーや機能が体験できる」と日本の重要性を改めて強調する。オープンを記念し、Dyson表参道では製品ご購入後に、その場でユーザー登録をした人を対象に、通常2年間のメーカー保証を5年間(一部対象外)に無料で延長するという。
(ニュースイッチオリジナル)

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 ロボット掃除機市場が多くの国内外メーカーの参入で活気づきそうだ。2015年度の国内市場予測は、各社でベースとなる台数規模が約40万台だったり、約65万台であったりと差があるものの、14年度比でおおむね約2割増という見立てで一致する。米アイロボットがロボット掃除機「ルンバ」で、成熟市場といわれた掃除機市場に一石を投じたのは02年と、まだ新しい分野。だが、20年には国内掃除機市場の約16%(14年は約7%)をロボット掃除機が占めるとの予測もある。

 これまでロボット掃除機市場への参入を見送っていた家電大手パナソニックが、20日に三角形状のロボット掃除機「ルーロ」を発売して参戦する。同市場ではすでに中堅メーカーが安価な製品で一定の認知度を確保したほか、昨年に欧州高級家電メーカー・ミーレや中国家電大手の参入が続き、英ダイソンも参入予定。7―8割の市場シェアを握るアイロボットの牙城に挑んでいる。

 パナソニックの「ルーロ」は一部の大型量販店で先行取り扱いしたところ、完売した店も出ており、注目度が高い。02年に技術発表まで行ったが、多様な床面への掃除性能の確保に至らず、商品化を見送っていた経緯から、今回は満を持しての投入とも言える。

 正方形の中で回転すると隅々まで内接する「ルーロー形状」という三角形に近い形で部屋の隅までブラシを届かせ、小回りも利くのが特徴。センサーで汚れ具合に応じて、往復や首振り走行などの制御を行うほか、じゅうたんやフローリング、畳など日本特有の多様な床面に対応させた。満足できる掃除性能確保に加え、「(ロボット掃除機)市場が買い替え需要を見込めるまでに成長した」(パナソニック幹部)ことも参入の背景だ。

 シャープの「ココロボ」はコミュニケーション機能が注目されがちだが、4月下旬に発売する新モデルでは部屋の隅のゴミをかき出すための新機能に重点を置いた。隅を検知すると左右に首振りしながら風を吹き付け、ゴミをかきだして吸じんする「エアーすみブラシ」機能を載せた。東芝も昨秋発売した新製品で部屋の隅の掃除性能向上のため、ブラシの位置や長さを工夫している。

 国内市場で、米国企業が開拓した牙城に日本メーカーが挑む構図。日本の住宅は綿ぼこりなどの軽くて隅に集まりやすい繊維系ゴミが多く、床も面積が狭いために家具やものが多くて複雑だ。このため、隅にゴミがたまりやすい。日系各社はきめ細かく、隅々まで掃除できる機能をアピールして、まずはシェア10%を狙う。 「日本の家屋に合ったきめ細かいアプローチが日本メーカーの強み」(シャープ幹部)。ロボット掃除機市場の戦国時代が幕を開ける。
日刊工業新聞2015年03月19日 電機・電子部品・情報・通信面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ダイソンがロボット掃除機への参入を表明したのは昨年9月。ジェームズ・ダイソン氏自ら日本にやってきてプレゼン。世界に先駆けサイクロン式ロボット掃除機を今春から日本で発売する予定だったが、まだ正式なリリースはない。ロボット掃除機は性能だけでなく、いかに利用者に愛着を持ってもらうかも重要。比較的「ごつい」イメージのあるダイソンだが、表参道の旗艦店は情報・ブランド発信拠点になりそう。

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