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「ウッドデザイン賞2015」、農林水産大臣賞決定―林業六次産業化モデル受賞

新設第一回目、応募総数は822点
「ウッドデザイン賞2015」、農林水産大臣賞決定―林業六次産業化モデル受賞

「みんなの材木屋」で販売されている製品

 木の良さや価値を再発見させる製品や取組みについて表彰する「ウッドデザイン賞2015(新・木づかい顕彰)」の第一回農林水産大臣賞(最優秀賞)に、西粟倉・森の学校(岡山県西粟倉村)の「『みんなの材木屋』発 森と暮らしを創る六次産業化モデル」が選ばれた。「みんなの材木屋」は木材のダイレクトマーケティングを実現したオンラインショップ。木材の知識のない人でも気軽に購入し使用できるよう材木規格をメートル法で表記、内装やインテリアを作るノウハウのオープンソース化、購入者が最後に手を加えることで完成するスプーンやフォークなどを販売している。木材流通を消費者目線で再定義し、木材を身近なものにした先進的な例として評価された。

 林野庁長官賞(優秀賞)には、「ららぽーと海老名キッズプレイエリア『ウッドキューブ』」、「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る電車』」、「積水ハウス シャーウッド~純国産材プレミアムモデル~」など9点が選ばれた。
 審査委員長賞(奨励賞)には、「あたらしい家 校倉」、「国産木材エレキギターの木質形成と音響特性の分析研究」、「『セブンの森』プロジェクト」など30点が選ばれた。
 新設第一回目となる今回は、822点の応募があった。「建築・空間・建材・部材」「木製品」「コミュニケーション」「技術・研究」の4分野の審査委員が397点を「ウッドデザイン賞」として選出し、その中よりさらに上位40点を選出した。

 表彰式にあたり森山裕農林水産大臣は「 平成17年より10年間続けてきた木づかい顕彰を発展させ、ウッドデザイン賞が新設された。国産木材の利用に関する国民意識をより高めていきたい」と祝辞を寄せた。同賞の赤池学審査委員長は総評にて今回の受賞のポイントに「協業」を挙げ、「異なるノウハウを持った企業や外部のデザイナーなどと協業することがこれからの木づかいの一つの方向性になっていく。受賞者同士でで学びあいながら発展していくことを期待している」と話した。
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昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
「ウッドデザイン賞」の新設によって、デザインの力で林業を活性化、発展させる取組みが進みそうです。木材利用というと、家具や家のイメージですが、それ以外のユニークな製品もたくさん受賞しています。

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